雲仙・普賢岳噴火災害で観測の中心的役割を果たした太田一也さん(86)=九州大名誉教授=の執務室を再現した「雲仙普賢岳噴火 太田資料室」の完成セレモニーが7日、長崎県島原市平成町の雲仙岳災害記念館であった。
9月から一般公開したが、セレモニーは新型コロナウイルス禍で延期していた。同記念館を運営する雲仙岳災害記念財団(理事長・古川隆三郎島原市長)の関係者ら約20人が出席。除幕に立ち会った太田さんは「現職時代の研究室そっくりにしてもらい大変光栄。私の研究資料を備えたことで、記念館の学術的な価値が高まった。今後も活用してほしい」と話した。
太田さんは、同市新山2丁目の九州大島原地震火山観測所(現在の九州大地震火山観測研究センター)の所長として活動。愛用した机や椅子などがそのまま同資料室(約40平方メートル)に移設された。
溶岩ドームの成長を記録した写真や岩石の標本、観測データ、太田さん執筆の書籍など計約3040点の資料も寄贈され、閲覧できる。同記念館によると、これまでに全国から研究者ら約40人が閲覧に訪れた。
“執務室”完成セレモニー 太田さん「大変光栄」 雲仙岳災害記念館
2021/12/08 [09:36] 公開