長崎市出身の英国人ノーベル文学賞作家、カズオ・イシグロさん(69)が出生地長崎を舞台とした小説「遠い山なみの光」(1982年)が日英合作で映画化、来年夏に全国公開されることが決まった。メガホンを取るのは俊英、石川慶監督。主演は広瀬すずさんが務める。日本の映画配給会社ギャガが22日明らかにした。
イシグロさんは5歳の時、家族と共に渡英し、日英の異なる文化を背景にして育った。長編小説デビュー作となった「遠い山なみの光」は英国の王立文学協会賞を受賞し、世界的作家の地歩を固める一歩となった作品。幼少期の記憶を基に稲佐山や平和公園などの情景が描かれ、長崎にゆかりの深い作品としても知られている。
物語は戦後間もない1950年代の長崎と80年代の英国を行き来しながら“記憶”の秘密をひもといていくヒューマンミステリー。主人公の悦子は、長崎で原爆を体験し、戦後に渡英した女性。娘に過去を聞かれた悦子は、長崎で暮らしていた頃に出会った母娘との記憶を語り始める-。
イシグロさんの作品ではこれまで「日の名残り」「わたしを離さないで」などが映画化されている。
今回はイシグロさん自身がエグゼクティブ・プロデューサーの一人として参加。「物語そのものは、第二次世界大戦の惨禍と原爆投下後の、急激に変化していく日本に生きた人々の、憧れ、希望、そして恐怖を描いています。今もなお私たちに影を落とし続けている、あの忌まわしい出来事の終結から80年を迎えるこの時期に、この映画が公開されることは、なんと相応しいことでしょう」とコメントを寄せた。
石川監督は、2022年の「ある男」が第46回日本アカデミー賞で最多8部門受賞するなど国内外で注目されている。イシグロさんは「私は石川監督の前作『ある男』の大ファンで、彼が私の小説『遠い山なみの光』の映画化を希望してくださった最初の日から、とても興奮していました」と大きな期待を寄せている。
広瀬さんは「不安感を抱きながら演じる、そんな日々でした。難しくて、悩みながらでしたが、心強い座組の中、お芝居できたことがとても宝物のような時間でした」とコメント。石川監督は「広瀬すずさんは、紛れもなく戦後長崎に生きた悦子そのものだった」とその演技を絶賛し、「特別な映画ができつつある、そういう手応えを確かに感じている」としている。
今作は日英合作の国際プロジェクトとして制作。既に日本での撮影を終え、近く英国での撮影が始まる。
イシグロさんは5歳の時、家族と共に渡英し、日英の異なる文化を背景にして育った。長編小説デビュー作となった「遠い山なみの光」は英国の王立文学協会賞を受賞し、世界的作家の地歩を固める一歩となった作品。幼少期の記憶を基に稲佐山や平和公園などの情景が描かれ、長崎にゆかりの深い作品としても知られている。
物語は戦後間もない1950年代の長崎と80年代の英国を行き来しながら“記憶”の秘密をひもといていくヒューマンミステリー。主人公の悦子は、長崎で原爆を体験し、戦後に渡英した女性。娘に過去を聞かれた悦子は、長崎で暮らしていた頃に出会った母娘との記憶を語り始める-。
イシグロさんの作品ではこれまで「日の名残り」「わたしを離さないで」などが映画化されている。
今回はイシグロさん自身がエグゼクティブ・プロデューサーの一人として参加。「物語そのものは、第二次世界大戦の惨禍と原爆投下後の、急激に変化していく日本に生きた人々の、憧れ、希望、そして恐怖を描いています。今もなお私たちに影を落とし続けている、あの忌まわしい出来事の終結から80年を迎えるこの時期に、この映画が公開されることは、なんと相応しいことでしょう」とコメントを寄せた。
石川監督は、2022年の「ある男」が第46回日本アカデミー賞で最多8部門受賞するなど国内外で注目されている。イシグロさんは「私は石川監督の前作『ある男』の大ファンで、彼が私の小説『遠い山なみの光』の映画化を希望してくださった最初の日から、とても興奮していました」と大きな期待を寄せている。
広瀬さんは「不安感を抱きながら演じる、そんな日々でした。難しくて、悩みながらでしたが、心強い座組の中、お芝居できたことがとても宝物のような時間でした」とコメント。石川監督は「広瀬すずさんは、紛れもなく戦後長崎に生きた悦子そのものだった」とその演技を絶賛し、「特別な映画ができつつある、そういう手応えを確かに感じている」としている。
今作は日英合作の国際プロジェクトとして制作。既に日本での撮影を終え、近く英国での撮影が始まる。