長崎市 30年後を見据え グランドデザイン策定へ 経済再生と定住人口増を

2024/07/30 [10:40] 公開

長崎市が策定するグランドデザインにおける重点テーマのイメージ図(同市作成)

長崎市が策定するグランドデザインにおける重点テーマのイメージ図(同市作成)

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急速な人口減少と大規模再開発が同時に進む県都長崎市。今月、30年後を見据えたまちづくりの方向性を示すグランドデザイン(全体構想)の策定が本格的に始まった。ハード・ソフト両面の施策を通じ、市全域で「経済再生」と「定住人口増加」を目指す。官民の意見を取り入れ、来年秋の公表を予定している。
 市内では長崎駅周辺の再整備や長崎スタジアムシティ建設など都心部での開発が進む。一方、そこから離れた周辺部などで少子高齢化が進み、人口40万人を割り込む深刻な状況もある。グランドデザインでは、再開発などの効果を市全域に波及させる方策を示していく予定だ。
 重点テーマは▽近隣市町との広域連携▽都心部と周辺部のつながりの維持・強化▽斜面地の活用-など。土地利用や道路、公共交通整備を軸とする「基盤づくり」(ハード面)と、それらを生かして新しい価値を生む「仕組みづくり」(ソフト面)の双方の観点から検討を進める。30年後の実現を待たず、優先的に取り組むべき施策や事業は「リーディングプロジェクト」と位置付ける。
 有識者や経済・地域関係者ら13人で構成する市の付属機関「長崎まちづくりのグランドデザイン検討委員会」が26日、市役所で初会合を開いた。委員長には、都市計画などに詳しい長崎大総合生産科学域の片山健介教授を選任。委員の中に女性がいないため、次回会合からは関係人として女性団体などに入ってもらう。