大石知事、655万円は返還 2000万円二重計上で…全員協議会には「可能な限り対応」 長崎

2024/07/20 [10:25] 公開

長崎県お大石賢吾知事の後援会の2022年政治資金収支報告書の記載が問題となっている中で、同報告書に新たな虚偽記載の疑いがあることが8日、関係者への取材で分かった。同報告書では大石氏が後援会に2千万円を貸し付けたとされているが、実際に後援会に渡った記録はなかった。二重計上の疑いがあり、大石氏は取材に「精査する」としている。
 大石氏は22年2月の知事選で初当選。知事選の選挙費用と後援会の政治活動費用は透明性などの観点から本来は別々の口座で管理すべきとされるが、関係者は「後援会の銀行口座で一元管理していた」とする。
 知事選の選挙運動費用収支報告書には、22年1月5日付で大石氏が「自己資金」で2千万円を入金したと記録。関係者によると、医師の大石氏は県医師信用組合から「選挙活動費」として2千万円を借り受けており、これが自己資金の原資とみられる。
 一方、大石氏の資金管理団体「大石けんご後援会」の22年政治資金収支報告書には、同年1月12日付で大石氏が後援会に貸し付けた「借入金」として2千万円を記載。しかし、後援会が一元管理する口座には、同年1月14日に選挙活動費とみられる2千万円だけが振り込まれ、大石氏が後援会へ貸し付けたとされる2千万円の記録はなかった。
 関係者は「口座に2千万円が2回入金されたことはない」と証言。24年3月までに後援会からの返済の一部として大石氏に利息を含む計約655万円が振り込まれたという。
 神戸学院大・上脇博之教授(憲法学)は「口座を一元管理すること自体が大きな問題」と指摘する。
 虚偽記載の可能性について、大石氏は「今の時点では何も申し上げることはできない。収支報告書の内容を精査確認し、説明したい」と話している。