座り込み2000回「幸せ奪わないで」 石木ダム反対住民らが集会 長崎・川棚

長崎新聞 2025/02/18 [11:40] 公開

「私たちは負けない!」の横断幕を手にする川原地区の住民ら=川棚町

「私たちは負けない!」の横断幕を手にする川原地区の住民ら=川棚町

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長崎県と佐世保市が東彼川棚町で進めている石木ダム建設事業を巡り、反対住民らが付け替え県道工事現場で続ける抗議の座り込みが17日、2千回に到達。現地で支援者らも集まり集会があった。住民は「ここで暮らす幸せを奪わないで」と訴え、座り込みを続ける決意を新たにした。
 座り込みは県が道路工事に着手した2010年3月から断続的に実施。13世帯約40人が暮らす水没予定地、川原地区の住民によると、2千回は一時中断していた工事の再開を受け、16年7月以降続けている「第4次」座り込みの総数。現在、月-金曜の日中に行っている。
 集会では住民や支援者ら約80人が「私たちは負けない」「止(や)めにせんかい」などとメッセージを掲げ、ホタル舞う同地区をたたえる歌を合唱した。
 住民の岩本宏之さん(80)は、家屋撤去などを可能にする行政代執行に触れ「座り込みができなくなっても家に住み続ける。力での解決を許してはならない」と強調。同地区に嫁ぎ約半世紀になる岩下すみ子さん(76)は「計画から60年たつが完成しない。治水や利水を再検証し、見直しを願いたい」と話した。
 石木ダム建設は新年度で国の事業採択から半世紀を迎える。県は本年度、事業計画を見直し、ダム本体を含む総事業費を約1・5倍の420億円に増額。完成時期は7年遅れの32年度とした。