三菱 重工とパワー統合  吸収分割契約を締結 長崎工場は長崎造船所へ

2021/07/31 [11:30] 公開

 三菱重工業(東京)と火力発電事業を担う完全子会社の三菱パワー(横浜市)は30日、10月1日付の統合に向けた吸収分割契約を締結したと発表した。三菱パワーの事業と人員は三菱重工に承継される。これに伴い、三菱パワー長崎工場(長崎市)は三菱重工長崎造船所(同市)に統合される。
 統合は、三菱重工が、成長分野として位置付けている火力発電の脱炭素化対応を加速させるとともに、経営資源の一体化による効率化が目的。
 三菱パワーは2014年、三菱重工と日立製作所が火力発電事業を統合し発足させた三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が前身。三菱重工が20年9月、全株式を譲り受けて社名変更した。火力発電システムの設計、製造、販売などを手掛け、21年4月の全従業員数は9886人。
 三菱パワー長崎工場は長崎市飽の浦町と香焼町の2カ所にあり、ボイラーや蒸気タービンなどを製作。21年4月の従業員数は計1990人。同社によると、統合に伴う生産・人員体制に大幅な変更はなく、転居を伴う従業員の異動はないという。
 このほか、高砂工場(兵庫県)は三菱重工高砂製作所に統合。日立(茨城県)、呉(広島県)両工場は、三菱重工日立、呉両工場となる。