オンラインでも、つながりたい-。長崎市北部の鳴見台地区でスマートフォンやパソコンを学ぶグループ「光風台教室」(篠原義弘代表)。新型コロナウイルス感染が拡大した昨年春、拠点の自治会集会所が閉鎖され、対面型からオンラインに転換。ワクチン接種の予約など、高齢者のデジタル対応が迫られる中、平均年齢73歳の受講生たちが、自宅に居ながら最新のアプリを使いこなし、仲間との交流を楽しんでいる。
「こんにちは」-。画面上の“小さな窓”から受講生の顔が次々と表示される。ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使ったスマートフォン教室。基本操作だけでなく、写真を加工して動画に編集するアプリ「VLLO(ブロー)」も使う本格派だ。
疑問があれば、エンジニアの篠原さん(75)=同市鳴見台1丁目=に質問する流れ。開始当初は対面による教室との違いに戸惑う人もいたが、いつの間にか、画面越しに雑談や近況報告に花を咲かせている。
同教室は2017年に始まったタブレット教室を経て、スマホとパソコンを教える。コロナ禍で集会所が使えなくなり、昨年3月、オンラインに。現在は集会所での教室も再開し、オンラインと併用している。
受講生は55~85歳の30人。市内の女性(82)は「会えなくてもパソコン上で仲間の顔を見て話すと、ほっとする」、別の女性(79)は「少し体調が悪い日でも参加できる。高齢者にこそオンラインが必要」、市内の男性(74)は「教室までの移動時間のロスがなくなり便利」と言い切る。
「受講生がオンラインで楽しそうに話す姿は井戸端会議のよう。コロナ禍で人と人との心のつながりを求めているように思えた」と篠原さん。「市の公民館講座でも『ズーム』が活用できる環境があれば、身体が動きにくくなったり、運転免許証を返納したりしても、自宅で趣味が楽しめる」。篠原さんはポストコロナを見据え、オンラインが高齢者の生活を支え、変える可能性に希望を感じている。
オンラインでもつながりたい 高齢者ら 最新アプリ学び交流楽しむ 長崎「光風台教室」
2021/06/15 [15:00] 公開