長崎港をぐるりと囲む低山をたどって1周するトレイルランの大会が2日、長崎市内で開催された。県内外の84人が息を切らせながら、いろんな表情を見せる“坂の街”を満喫した。
主催したのは藤岡英嗣さん(47)。長崎ケーブルメディア(同市)のディレクターとして長年、地元の坂や山歩きの魅力を番組で紹介してきた。市中心部の開発が進む一方、斜面地で空き家や空き地が増え衰退していく様子を目の当たりにしながら、思い付いた企画が「斜面都市長崎を俯瞰(ふかん)する観光シティートレイル」だった。
稲佐山や鍋冠山から港を望む絶景は観光資源として定着している。だが周辺の低山も含めトレイル(登山道などの未舗装路)の存在はあまり知られていない。藤岡さんは街中の観光名所と組み合わせ線でつなぎ、「長崎ラウンドトレイル」と名付けて昨年2月、初開催した。
出島前の県庁舎跡地をスタートし、新地中華街や大浦天主堂前を通って鍋冠山へ。女神大橋を渡り、天門峰(しらと)、稲佐山、岩屋山をたどる。平和公園は歩行区間。金比羅山、烽火山、英彦山、愛宕山に登頂した後は、風頭公園の坂本龍馬像や眼鏡橋を見物し、出島前に戻る。距離約47キロ、累積標高約3千メートル、制限時間11時間で中・上級者向けだ。
昨年はフェイスブックで経験者だけを募ったが、今年は距離約20キロ、累積標高約1300メートル、制限時間9時間のショートコースも設定。未経験者や初級者に門戸を広げた。ショートは、江戸時代からの長崎の習わしで正月に金比羅山など七つの山に登り参詣する「七高山(しちこうさん)巡り」にちなんでいる。
ショート男子で優勝した福岡市の看護師、坂本卓也さん(41)は「山と街が近く安心感があるので誰でも楽しめそう」と感想。ロングに挑んだ米国出身で同市の翻訳業、トンプキンス・ベンジャミンさん(54)は「いろんな角度から街や海が見えた。住みたくなった」と声を弾ませた。アップダウンが激しく、足がつる参加者もいたが、完走率は100%。最高齢は阿部明彦さん(73)だった。
企画や各種手続き、協賛集め、参加賞などは藤岡さんが1年かけてこつこつ準備した。だが直前のコース整備や会場設営、当日の誘導やエイドステーション(飲食物の補給場所)運営は1人ではできない。トレラン仲間ら44人が「クルー(乗組員)」として県内外から集結。ランナーを鼓舞し背中を押した。
藤岡さんは手応えを感じた。「きついのにランナーもクルーもみんな笑顔だった。長崎の特別感を味わえてもらえたかな」
主催したのは藤岡英嗣さん(47)。長崎ケーブルメディア(同市)のディレクターとして長年、地元の坂や山歩きの魅力を番組で紹介してきた。市中心部の開発が進む一方、斜面地で空き家や空き地が増え衰退していく様子を目の当たりにしながら、思い付いた企画が「斜面都市長崎を俯瞰(ふかん)する観光シティートレイル」だった。
稲佐山や鍋冠山から港を望む絶景は観光資源として定着している。だが周辺の低山も含めトレイル(登山道などの未舗装路)の存在はあまり知られていない。藤岡さんは街中の観光名所と組み合わせ線でつなぎ、「長崎ラウンドトレイル」と名付けて昨年2月、初開催した。
出島前の県庁舎跡地をスタートし、新地中華街や大浦天主堂前を通って鍋冠山へ。女神大橋を渡り、天門峰(しらと)、稲佐山、岩屋山をたどる。平和公園は歩行区間。金比羅山、烽火山、英彦山、愛宕山に登頂した後は、風頭公園の坂本龍馬像や眼鏡橋を見物し、出島前に戻る。距離約47キロ、累積標高約3千メートル、制限時間11時間で中・上級者向けだ。
昨年はフェイスブックで経験者だけを募ったが、今年は距離約20キロ、累積標高約1300メートル、制限時間9時間のショートコースも設定。未経験者や初級者に門戸を広げた。ショートは、江戸時代からの長崎の習わしで正月に金比羅山など七つの山に登り参詣する「七高山(しちこうさん)巡り」にちなんでいる。
ショート男子で優勝した福岡市の看護師、坂本卓也さん(41)は「山と街が近く安心感があるので誰でも楽しめそう」と感想。ロングに挑んだ米国出身で同市の翻訳業、トンプキンス・ベンジャミンさん(54)は「いろんな角度から街や海が見えた。住みたくなった」と声を弾ませた。アップダウンが激しく、足がつる参加者もいたが、完走率は100%。最高齢は阿部明彦さん(73)だった。
企画や各種手続き、協賛集め、参加賞などは藤岡さんが1年かけてこつこつ準備した。だが直前のコース整備や会場設営、当日の誘導やエイドステーション(飲食物の補給場所)運営は1人ではできない。トレラン仲間ら44人が「クルー(乗組員)」として県内外から集結。ランナーを鼓舞し背中を押した。
藤岡さんは手応えを感じた。「きついのにランナーもクルーもみんな笑顔だった。長崎の特別感を味わえてもらえたかな」