備蓄米、長崎県内で販売開始 今月下旬にもスーパー1社の店頭に…銘柄米より安く

長崎新聞 2025/04/04 [11:30] 公開

銘柄米が積み上げられた長崎市内のスーパーの米売り場。地場スーパー1社は今月下旬にも、銘柄米に比べ5キロ当たり1000円ほど安い備蓄米の販売を始める

銘柄米が積み上げられた長崎市内のスーパーの米売り場。地場スーパー1社は今月下旬にも、銘柄米に比べ5キロ当たり1000円ほど安い備蓄米の販売を始める

大きい写真を見る
政府が放出した備蓄米について、長崎市内を中心に店舗を展開する地場スーパー1社が今月下旬にも店頭で販売を始めることが3日、同社などへの取材で分かった。今回の備蓄米放出で県内での販売が明らかになるのは初めて。銘柄米に比べ5キロ当たり千円ほど安い3500円程度で、備蓄米と表示せずに販売する予定としている。

 政府は米の価格高騰を受け、2月中旬に備蓄米を最大21万トン放出すると発表。農林水産省は3月に2度にわたって入札を実施し、計21万2千トンが落札された。3月末に国内の一部で流通し始めたが、全国で本格的に販売が始まるのは今月以降とされていた。

 同社によると、販売を始めるのは初回入札の備蓄米。2週間程度、店頭に並ぶ予定という。関係者は「備蓄米は安く販売できるが、ほかの米の値段は下がらないだろう」との見方を示した。

 一方、イオンは2日、安定供給を図るため米国産と国産のブレンド米を販売すると発表。イオン九州によると、県内のイオン店舗や「マックスバリュ」では10日ごろから順次販売する見通し。販売価格は4キロで3002円。同社は備蓄米についても「入荷次第で順次販売する」としている。

 農水省によると、全国のスーパーで販売されたコメ5キロ当たりの平均価格は3月17~23日の1週間で4197円。前週より25円高く、値上がりは12週連続。前年同期比では2倍超の高値となっていた。