長崎県高校春季選手権は18日、各地で6競技が行われ、バドミントン男子のダブルスは棚原蓮・宮川友結組(瓊浦)が制した。宮川はシングルスと合わせて2冠を達成。ダブルス、シングルスとも瓊浦勢が上位を独占した。女子シングルスは田中佐彩(諫早商)が優勝した。
今大会の上位を独占した瓊浦勢は日本一を志す選手たちがハイレベルなプレーを披露した。象徴的だったのはシングルス。3月の全国高校選抜大会準Vの田中が準決勝で櫻井に敗れ、決勝はその櫻井を宮川が抑えて優勝した。林監督は「実績ある相手に自分は勝てないと決めつけてない証拠」と総括した。
宮川は主将の意地を見せつけた。団体は準々決勝、個人ダブルスとシングルスは2回戦敗退した全国高校選抜大会から約3週間。「ふがいなかった。もう一回、自分の背中を見てもらおう」と気合を入れて臨み、棚原と組んだダブルスと合わせて2冠をつかみ取った。
シングルスの決勝は第1ゲームを21-23で落とした後、第2ゲームを21-7で奪い返した。第3ゲームは13-16と劣勢だったが、連続得点で逆転に成功。「焦ってもうまくいかない」と、冷静に、熱い気持ちを持って試合を進め、何度もコートに飛び込みながらシャトルを拾った。試合後の手のひらには、血がにじんでいた。
1年生8人も迎えて計23人になった今季のチーム。そこで存在感を強めたリーダーが「ここはまだ通過点」と気を緩めなければ、全国2位から県3位になった田中も「誰よりも声を出して引っ張り、夏は団体も個人も日本一になる」と雪辱を期した。その可能性を十分に感じさせる瓊浦の強さだった。