初代「歌うま帝王」は野母崎! 長崎南部7地区対抗のど自慢大会 合併20年、エリアを一つに

長崎新聞 2025/04/04 [12:20] 公開

7地区の幅広い年代が参加した大会=長崎市布巻町、三和公民館大ホール(実行委提供)

7地区の幅広い年代が参加した大会=長崎市布巻町、三和公民館大ホール(実行委提供)

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長崎市南部7地区対抗ののど自慢大会が、同市の三和公民館大ホールで初めて開かれた。7地区の老若男女の交流を通じて「南部エリアを一つにしたい」との思いで地元の若者が企画。各地区の代表が「南の歌うま帝王」地区の栄冠を競い、野母崎が初代王者に輝いた。

 7地区は香焼、伊王島、高島、野母崎、三和の旧西彼南部5町と土井首、深堀。大会は南部地区の食と音楽のイベント「七歌祭(ナナフェス)」の実行委が3月16日に開催した。
 実行委は7地区の若者ら有志でつくり、イベントを通して地域間の「横」の結び付きを強めてきた。今回は世代間の「縦」のつながりもつくろうと、自治会を巻き込んだのど自慢大会を計画。各地区で地区予選会を開いたり、出場者を募ったりして代表を決定した。
 7地区からジュニア、ヤング、シニアの3世代各1組の計21組が出場。ロックやJポップ、演歌など、バラエティー豊かなおはこを歌い上げた。集まった約640人の観客は横断幕やうちわを手に声援を送った。西海市出身の演歌歌手、大地あきおさんの歌謡ショーも大会を盛り上げた。
 連合自治会長らによる審査と観客の投票で各組の得点を算出。地区別の総得点で決まる総合優勝には、出口颯真さん(ジュニア)、山崎楓太さん(ヤング)、橋本義信さん(シニア)の野母崎が輝いた。地区や世代に関係なく最も得点を集めたMVPは、奥山豊文さん、典子さん夫婦(高島、ヤング)が勝ち取った。
 今年は旧西彼南部5町の長崎市合併から20年の節目。7地区の人口は1月末時点で約3万6千人。実行委によると43%が65歳以上、0~14歳は10%を切っている。地区の祭りの存続も難しくなっている中で、大会は大盛況。観客からは「次は出たい」との声もあり、来年の開催に向け動き出している。
 実行委の安達考紀さん(44)は「7地区で(南部エリアを)守ろうというスタンスが必要。20年後に『あの時やっていれば良かった』って思う、あの時が今だと思う」と話した。