長崎県北松小値賀町の住民有志が、地元の文化、芸術振興のため「布袋(ほてい)座二〇一九」というグループをつくり活動している。芸術活動を通じた子どもたちの国際交流などを企画。“座長”を務める、木寺智美さん(34)は「新型コロナウイルス禍の中、多くの人を集めるのは難しいが、住民が芸術に触れる機会を増やしたい」と意気込む。
同グループは2019年11月に設立し、メンバーは20~70代の計9人。町内でイベントを開催していた仲間で結成した。グループ名は、1907(明治40)年に同町内に建てられ、昭和40年代に取り壊されるまで、歌舞伎やサーカスの興業、住民の演芸会などに使われた800人収容の大型劇場「布袋座」にちなんでいる。
同グループは昨年11月に県の事業に協力し、親交があったオランダ人映像作家らとオンラインを使って交流。町立小値賀中の生徒たちが海外の文化について学ぶ機会を設けた。
併せて「布袋座」に関して外観の写真など詳細な資料が整理されていないことから、地元のお年寄りに聞き取りし史料としてまとめていく。祖父らが布袋座の運営に関わっていたという、事務局長の横山桃子さん(32)は「小値賀の魅力を発見し未来につなげたい」と話した。
「布袋座二〇一九」はメンバーを随時募集しており、町外からも参加できる。年会費は2019円。問い合わせはメール(hoteiza2019ojika@gmail.com)。
小値賀の文化、芸術振興を 住民有志が「布袋座二〇一九」
2021/01/16 [23:41] 公開