無病息災炎に願う 松浦で鬼火たき

2021/01/09 [22:30] 公開

無病息災を願い、鬼火たきで炎に包まれる鬼小屋=松浦市調川町

無病息災を願い、鬼火たきで炎に包まれる鬼小屋=松浦市調川町

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 長崎県松浦市調川町松山田免で7日、一年の無病息災を祈る新春行事「鬼火たき」があった。竹とわらで組み上げた巨大な鬼小屋に、近くの住民が正月飾りを入れて火を付けると、折からの風雪にあおられ、1分かからず燃え崩れた。
 一辺の長さが4.5メートル、高さ6.5メートルの四角すいの小屋。地元で建設業を営む久保川志丸(しまる)さん(70)が20年ほど前から毎冬、材料の調達からクレーンを使って組み上げるまで1人で造っている。小屋は年末年始の間、子どもたちの遊び場や、たき火を囲んで地域の親睦の場としても利用されている。
 同日午後2時に点火。鬼小屋は強風にあおられ、瞬く間に焼け落ちた。久保川さんは「子どもたちの地区の伝統行事を伝えようと始めた。これからも体が元気な限り、続けたい。コロナ禍で見物客が少ないのは仕方がないが、やはり寂しい」と話した。