〈20日告示の雲仙市長選で、無投票3選を果たした。「継続」と「改革」を掲げる3期目の展望などを聞いた〉
-1期目から3回連続の無投票をどう捉える。
立候補するからには落選もあると覚悟を決めている。結果的に無投票だったという認識。3期目も自分の考えと市民の願いが一致しているのか、絶えず目を凝らし耳を澄ませて精査を続け、緊張感を持って市政に当たる。
-「継続」と「改革」を掲げている。継続する分野は。
移住・定住促進のため出会いから出産、育児までの経済的負担の軽減を図る15事業の「新・子育てパッケージ」を昨年度スタートさせた。人口の自然減を補うのは難しいが、施策を丁寧に続けて社会増減をイーブンに持っていきたい。整備が進む島原道路の早期完成に向け要望を続ける。愛野-小浜を結ぶバイパス道路は今年7月に国の主導で検討会が立ち上がったので、3期目の任期中に道筋を付けたい。
-改革を進める分野は。
移住・定住の促進に加え、高齢者や障害のある人、介護が必要な人たちへの福祉政策を充実させる。貧困対策も必要。高齢者らの移動支援の「チョイソコ」(人工知能を活用した乗り合い送迎サービス)は、国見-愛野間で実証運行を始めているが、成果を検証して市内全域に広げたい。
-改革に何が必要か。
人口減の中、市職員数の削減も与えられた課題だと思い取り組んできたが、市の事業規模が拡大し、現場環境が厳しくなっている。職員定数を増やして情報通信技術、観光、情報発信などの分野で、知見のある経験者を登用する。
-観光振興は。
今年から10年後を見据えた観光戦略をスタートし、雲仙温泉街を中心に取り組みを加速させ、手応えを感じている。今後は小浜温泉、神代小路(国見町)などの観光資源も生かすため、新しい観光団体づくりを後押しする。
-農業振興は。
大型基盤整備に取り組み、国見と南串山で、生産者の農業所得が2~3倍に増え、子どもの数も増加に転じている。さらに整備地区を拡大し農業の経営安定に努めたい。
-3期目の抱負は。
今後4年間、市政を預かる重責を感じつつ、課題に向き合い市民に一つでも多くの成果を感じてもらえるよう、職員と共に尽力していく。
【略歴】かなざわ・ひでさぶろう 雲仙市小浜町出身。市長就任以降、毎朝4時に起きて新聞数紙と資料を読み込む習慣は変わっていない。読書と映画鑑賞が趣味。最近読んだのは「雲仙普賢岳噴火 回想録」。