長崎市立南中(岡田政宏校長、2人)と同市立日吉中(久松美恵子校長、17人)は3日、オンラインで両校をつないで3年生の道徳の授業を実施。どちらも小規模校だが、遠隔授業をすることで通常より大人数での意見交換が可能になるなど、情報通信技術(ICT)を活用した授業の在り方を模索している。
南中は新型コロナウイルス感染拡大に伴う4月の一斉休校時、小規模校の強みを生かして生徒と教師全員分のパソコン端末を導入した。児童生徒に1人1台の端末を配備する政府の「GIGAスクール構想」を率先して取り入れた形。この日は日吉中に端末を貸し出して遠隔授業が実現した。
授業のテーマは「選挙」。2人の候補者の公約を通じて社会参画の仕組みなどを生徒自身で考える内容で、意見を書き込む表の共有化も図った。生徒が自身の端末に自分の意見を書き込むと、瞬時に一覧表に反映され、生徒は手元の端末上で他の生徒の意見を確認できる仕組み。プリントを配布する手間もなく、生徒が全員の意見を確認した。
南中は3年生2人だけだが、日吉中3年生7人が授業に加わったことで、南中の岩本彩愛さん(15)は「いつも2人で相談していたけど、いろんな人の意見が聞けてよかった」。日吉中の溝口煌基さん(15)は「画面越しに意見を言い合うのが新鮮だった」と満足そう。岡田校長は「ICT教育は教師も生徒も慣れることが必要。今後も実践を重ね、効果的な授業方法を探っていく」と話した。
画面越しの意見交換 「GIGAスクール」授業実践
2020/12/09 [15:50] 公開