長崎県内学生らを対象にデジタルコンテンツの出来栄えを競う「長崎デジタルコンテスト」を毎年開いているIT企業アドミン(長崎市)が9回目の今年、新型コロナウイルス問題を受け、初めてオンラインで開いた。事前制作した作品を発表する例年とは違い、短期間で仕上げる「ハッカソン」形式に変更。今後もこうした取り組みを続け、優秀な人材の輩出につなげたい考えだ。
ハッカソンとは、プログラムの改良を意味する「ハック」と「マラソン」の造語。与えられたテーマについて、チームで話し合い解決に向けたソフトウエアなどを開発する。
例年は約3カ月間の準備期間があるが、今回は発表前日から制作を開始。11月21、22両日に開催し、県内の大学生や社会人ら20人が参加した。
4チームに分かれ、「長崎×デジタル」をテーマに、長崎の課題や強みなどを出し合い、解決・改善できるアプリやサービスを考案。オンラインでの発表は、例年会場にしている長崎市の出島交流会館をCGで再現した。
審査の結果、飲食店や美容室など生活に必要な情報をまとめたアプリを考案したチームが「ベストプレゼンテーション賞」を獲得。この他、お薦めのスポットを紹介する掲示板や地図と連動した情報共有ツールといった作品が出された。作品は今後、実用化に向け行政にも働き掛ける。
コンテストは来年、10回の節目。過去の優勝者が情報通信大手に就職するなど着実に成果が出始めている。アドミンの山口知宏社長(32)は「コロナの中でも何とか開催できた。さまざまな人と討論して刺激を受け、スキルアップにつながったはず。毎年継続することで、長崎から優秀な人材を輩出したい」と語った。