「古き良き路地から街ににぎわいを」-。長崎市中心部の中通り商店街に22日、町家風の商業施設「めがね橋LOGIC(ロジック)」がオープンする。隣接する三つの空き店舗を改装。それぞれを細い路地でつなぎ、昭和レトロな商店街の一角を再現した。近くの眼鏡橋や寺社などをつなぐ街歩きの拠点として、人々が行き交う活気ある商店街の再生を目指す。
同商店街振興組合や磨屋通り自治会の有志10人が、2月から準備してきた。プロジェクトの代表を務める自動車販売業、坪田洋一郎さん(58)によると、古川町の2階建て空き店舗3棟を改装し、延べ床面積は計約240平方メートル。1階に11店舗、2階に宿泊施設(12月開業)が入居する。改装費は約3千万円。市の中島川・寺町地区まちなみ整備助成制度を活用した。名称は「路地」と、ロジックの「(理論の)道筋」の意味を掛け合わせた。
「路地で遊び、にぎわいの中で育ててもらった」。同商店街周辺で子ども時代を過ごした坪田さんは懐かしむ。昭和30年代は町家が並び、1階にさまざまな業種の店が入居。2階が居住スペースになっていた。町家同士は細い路地でつながり、密接に関わり合って生活していたという。坪田さんは「路地を再生し、人々が触れ合う町づくりを通して、お世話になったこの町に恩返ししたい」と話す。
ロジック3棟の中心になるのが、今年3月に閉店した和装小物の老舗「はりまや」跡。中の番台などをそのまま活用して昭和30年代の風情を残し、催事スペースにした。商店街の古写真などを展示するほか、創業を目指す人のチャレンジショップとして利用できる。その周りや他の2棟に、約10平方メートルの小型テナントを配置し、飲食店やネイルサロン、占いの店などが入る。
市内で健康食品の店を営む鶴野嵩敬さん(33)加奈枝さん(30)夫妻は、市内3店舗目を新たな形態のスムージー専門店として出店する。プロジェクトの一員でもある嵩敬さんは「異業種が集まっているから、新しいコラボが生まれそう」と期待を寄せ「チャレンジショップで自信を付けて商店街に出店する人が出てくれば街の活性化につながる。ロジックが起爆剤になれば」と意欲を見せる。
22日は午前10時からオープニングイベントを開催。「長崎市まちぶらプロジェクト」の認定式があるほか、先着200人にエコバッグをプレゼントする。