所得税が生じる「年収103万円の壁」引き上げに伴う減税策に関し、自民党が提案した年収制限を緩和する案が与党内で浮上していることが20日、分かった。与党関係者によると、年収500万円超に減税対象者を拡大する。協議を続ける国民民主党が年収制限に反発したことに譲歩する形だが、合意できるかどうかは見通せない。
与党関係者によると、減税対象の年収上限を800万~900万円程度まで引き上げることを目指す。減税の総額は数千億円とみられる。与党はこの案を含めた複数案の検討を進めており、与党案としてまとめたい考えだ。
ただ、あくまで年収制限をもうけることで税収が減る幅を小さくしたい自民と、減税対象を広げたい公明党の間で温度差もある。公明は、年収制限に難色を示した経緯がある。
自民が18日に示した案は、所得税を減らす効果がある基礎控除を特例で拡充する内容だった。基礎控除を年収200万円以下では37万円、年収200万円超500万円以下では10万円増やす。
今回浮上した案では、年収500万円超でも基礎控除を上乗せする。