3月30日(日)

着手から39年… 長与・『高田南』主な工事完了 環境充実、活気あるまちに 長崎県

長崎新聞 2025/03/24 [12:20] 公開

高田南土地区画整理事業で造成した宅地=長与町高田郷(町提供)

高田南土地区画整理事業で造成した宅地=長与町高田郷(町提供)

  • 高田南土地区画整理事業で造成した宅地=長与町高田郷(町提供)
  • テープカットした吉田町長(前列右から3人目)や来賓ら=長与町高田郷
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事業着手から39年が経過した長崎県西彼長与町の高田南土地区画整理事業の主な工事が完了し、22日、最後の宅地整備事業地内(高田郷)で竣工(しゅんこう)記念式典があった。関係者や来賓ら約100人が、広がる宅地を前に新たな節目を祝った。
 竣工したのは同土地区画整理事業(49・8ヘクタール、約1300区画)のうち、残っていた約18ヘクタール。早期完成を図るため、残工事をひとまとめに契約し保留地の一部を売却して財源も得る一括施工で実施。2020年3月から5年間で約550区画と道路などを整備した。
 式では吉田愼一町長が「長崎市との隣接地。玄関口としてふさわしい住環境が充実し、活気あるまちとなりそう。今後1日も早く地権者の皆さまに土地をお返しできるよう進めたい」とあいさつした。
 地権者の一人、山﨑英雄さん(78)は取材に「消防車も入らないような場所だった。予想外に時間はかかったがやって正解だった」と感慨深げ。同じく森泰三さん(84)は「子どもたちが健やかに、伸びやかに育つまちになってほしい」と期待した。
 町などによると、土地の有効活用や住環境整備などを目的に、1986年、県が受託し事業着手。当初は10年で完了する見込みだったが、十分な事業費が確保できず、山を切り開く工事も難航。工期延長と事業費の増額を繰り返し、総事業費は約337億円と当初の3倍に膨れる見込み。今後は測量の後、夏をめどに宅地の引き渡しが行われる。事業完了は30年度の予定。