長崎・島原が初V! 全国高校選抜・剣道男子、4大タイトル制覇

長崎新聞 2025/03/29 [12:26] 公開

代表戦にもつれた決勝を制し、喜びを分かち合う島原の選手たち=愛知県春日井市総合体育館

代表戦にもつれた決勝を制し、喜びを分かち合う島原の選手たち=愛知県春日井市総合体育館

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全国高校選抜大会は28日、各地で9競技が行われ、長崎県勢は剣道男子の島原が決勝で福岡大大濠に代表戦の末に競り勝ち、初優勝を果たした。県勢の優勝は2009年の西陵以来、3度目。今大会の県勢の金メダル獲得は、重量挙げ男子67キロ級の田中彗斗(諫早農)に続いて二つ目。
 ハンドボール男子の瓊浦は準決勝で駿台甲府(山梨)に31-32で惜敗し、24年ぶりの決勝進出はならなかった。4人で競った重量挙げ女子76キロ超級の森七菜実(西彼農)はトータル143キロで4位だった。
 29日は各地で5競技を実施する。


◎島原・磨いた勝負勘、鮮やか逆転

 春の選抜と魁星旗、夏の玉竜旗とインターハイ。高校剣道の4大タイトルのうち、島原の男子が唯一手にしていなかったのが、この選抜だった。「初優勝ぞ、初優勝。記録にも記憶にも残る試合やったぞ」。過去に3度涙をのんだ決勝で逆転劇を演じ、福田監督は珍しく冗舌だった。
 土壇場で追いつき、一気に優勝旗をさらった。福岡大大濠との決勝は副将戦を落とし、1-2と後がない状態で大将戦へ。それでも主将の相原右は冷静だった。「準決勝までは前の4人に助けられたから、最後はやっぱり自分が決めなきゃって思ってた。緊張はなかった」
 相手よりわずかに早く面を当てて星を五分に戻すと、代表戦は「打つならあそこって決めていた」。つばぜり合いの離れ際に鋭く面をたたき、2本の白旗を上げてみせた。試合開始からわずか29秒。代表戦に備えて温存していた、狙い通りの1本だった。
 1回戦からの6試合、すべて接戦だった。でも、負けなかった。勝負強さの理由について「日々の練習の積み重ね」だと相原右は言った。
 島原は日常的に全国の強豪校から選手を呼び寄せて合同合宿をしたり、時に海外の練習生も道場に受け入れて一緒に練習する伝統がある。さまざまなタイプの選手と手合わせすることで勝負勘が磨かれ、試合に生きるのだという。「苦戦の中で何をやるべきか、子どもたちは分かっていた。辛抱して、我慢強くやれた」と福田監督は勝因を挙げた。
 インターハイを初制覇したのが2022年だった。あれから3年。経験を重ね、ついに「最後のタイトル」をつかんだ。