認知症、予備軍含め3.3人に1人に…2040年の長崎県内高齢者 新たな試算で判明

2025/02/05 [11:00] 公開

長崎県内高齢者 認知症とMCIの推計

長崎県内高齢者 認知症とMCIの推計

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長崎県内の認知症高齢者(65歳以上)が、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年には6万1700人と見込まれることが、県の新たな試算で判明した。また認知症予備軍とされる軽度認知障害(MCI)の高齢者数を初めて試算し、同年には6万4600人と推計。認知症とMCI合わせて高齢者の約3・3人に1人の割合だ。

 県地域包括ケアシステム推進協議会認知症部会で明らかにした。昨年5月の政府の認知症施策推進関係者会議で公表された全国の有病率を、本県の将来推計人口に単純に当てはめて算出した。

 それによると、団塊の世代が75歳以上となる25年の認知症高齢者は5万6500人と推計。30年には6万1千人を超えるが、高齢者が38万人を切る50年には5万6900人に減少すると試算した。一方、MCIは30年に6万9100人に達するが、その後は高齢者の減少に合わせて減り、50年には6万1100人と見込まれるという。

 県はこれまで、今回と同様の手法で25年の認知症高齢者を8万4千人と試算していた。しかし昨年5月の政府会議で公表された全国推計が減少したため、県内の推計も減った。その要因として、MCIから認知症へ移行した人の割合の低下や、生活習慣病の改善や健康意識の変化などによる認知機能低下の抑制-といった可能性が指摘されている。

 県は25年度、認知症施策の指針となる国の基本計画に基づき、推進計画の策定に着手。同計画は27年度から3カ年を予定している。「認知症になっても希望をもって自分らしく暮らし続けることができる」という「新しい認知症観」に立ち、認知症当事者や家族との意見交換、実態調査などを実施し、26年度中の計画策定を目指す。