アスベスト(石綿)が原因で中皮腫を発症したとして労災認定を受けた長崎県諫早市森山町の俣野利道さん(75)が、長崎労働基準監督署から休業補償の支給日を通院日だけに減額されたことに対し、不服申し立てが認められたとして9日、被害者団体と県庁で記者会見した。
俣野さんは18歳から20歳まで自動車整備工場で断熱材の補修や除去作業に従事。その後、別会社で働いていたが2018年4月に中皮腫を発症、9月に胸部を手術した。10月に労災認定を受け、発症日の同年4月分から全請求期間の休業補償が支払われてきた。
しかし今年3月、俣野さんが19年12月から今年2月末までの91日分を申請したところ、通院した1日分しか認定されなかった。被害者団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」によると、労基署は通院日以外の労働は可能だったと判断したという。
俣野さんは6月、労災保険審査官に不服を申し立て、病状再発の予見があったなどとして9月28日、認められた。俣野さんは「中皮腫は予見が難しく、当然の判断」と話した。
中皮腫労災 休業補償減額 不服申し立て認定 諫早の男性
2020/10/10 [13:37] 公開