インテリアとは、「室内」や「室内空間」を指す言葉。外から建物を見た様子「外観」は、エクステリアと呼(よ)ばれます。
インテリアコーディネーターは、お客さまの要望に添(そ)って壁(かべ)材や床(ゆか)材、家具、照明器具、カーテンなどを組み合わせ、心地よい生活空間を提案(ていあん)する専門職(せんもんしょく)です。医師(いし)のような国家資格(しかく)はありませんが、幅広(はばひろ)い知識(ちしき)が問われるため、民間のインテリアコーディネーター資格を取得する人が多くいます。
2011年に、家の手入れやリフォームを行う会社に入りました。現場(げんば)で知識や経験(けいけん)を積み上げながら13年に資格を取得、19年の春に独立(どくりつ)しました。工務店(こうむてん)から頼(たの)まれて住宅(じゅうたく)やマンションの内装(ないそう)に関わるほか、個人(こじん)で依頼(いらい)を受けることもあります。
実は、私(わたし)の社会人としてのスタートは高校卒業後に就職(しゅうしょく)した東京のデパート。今の道に進むまでには、婦人服(ふじんふく)の販売(はんばい)や事務の仕事を経験しました。亡(な)き祖父(そふ)が大村で家具店を営(いとな)んでいたので、インテリアの仕事は私にとってずっと身近なものだったんです。
◆じっくり要望聞く
私の場合、こちらに全てお任(まか)せという依頼が多いのですが、それでも、まずはお客さまがどんな住まいにしたいのかをじっくり聞きます。そのイメージプランに基(もと)づいて壁材などを選んで提案します。必要な材料の発注や納期(のうき)の確認(かくにん)、現場作業の立ち会いも行います。
住む人の要望は受け入れながらも、プロとしてのアドバイスも加えるように心掛(こころが)けています。「プロに相談したから、もっとすてきになったな」と思ってほしいから。そのための勉強も欠かせません。東京で行われるカーテンや照明の展示(てんじ)会に足を運んだり、雑誌(ざっし)などから新しいデザインを学んだり。常(つね)に自分のセンスを磨(みが)く努力をしています。
◆細心の注意を払(はら)う
お客さまに建築(けんちく)材料のカタログを見せながら説明しても、住まいの完成形は分かりにくいもの。「こんな感じになりますよ」と、図面を基に部屋の間取りを立体的な絵(パース)にして再現(さいげん)することもあります。必要なのは「寸法(すんぽう)感覚」です。例えば注文した家具が部屋に入らなかったら、多くの人に迷惑(めいわく)がかかります。そのため、細心の注意を払(はら)っています。
複数(ふくすう)の仕事を同時に進めることがほとんどです。細かい作業が多く、締(し)め切(き)りに追われて大変なときもあります。でも、自分が提案した内容(ないよう)が目に見える形になり、さらにお客さまが喜んでくれると、「時間をかけてよかった」ととてもうれしいです。すごく楽しい仕事です。
◆気持ちを変える力
新型コロナウイルスの感染拡大防止(かんせんかくだいぼうし)で、家で過(す)ごす時間が増(ふ)えています。誰(だれ)もが「心地よい」住まいを求めているように感じます。でも、部屋をおしゃれにしたくても、どうしたらいいか分からないという人もいるのではないでしょうか。
家の中に手をかけることで、生活が変わり、心も潤(うるお)います。インテリアには「気持ちを変える力」があります。私は気軽に相談できるインテリアコーディネーターとして、そのことを発信していくつもりです。