軍艦島護岸が一部崩壊 旧出津救助院も破損 台風9号

2020/09/05 [09:33] 公開

台風9号の影響で護岸の一部が崩壊した端島(軍艦島)=長崎市(市提供)

台風9号の影響で護岸の一部が崩壊した端島(軍艦島)=長崎市(市提供)

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 長崎市は4日、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」を構成する端島(軍艦島)で、見学施設などの台風9号による被害状況を調査した。島を囲むコンクリート製の護岸が一部崩壊したほか、ドルフィン桟橋で船の接岸時の衝撃を和らげる「防舷材」が3基流出するなどの被害が出た。
 島の西側の護岸上部が幅約10メートル、高さ約4メートルにわたって崩れ、内側にある明治期の石積みがむき出しとなった。島内でがれきを固定していたプラスチック製のネットが高波の影響でちぎれ、がれきが散乱。転落防止柵の一部も破損した。
 国内最古の鉄筋コンクリート造アパート「30号棟」の新たな崩落は確認されなかった。
 一方、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「外海の出津(しつ)集落」にある旧出津救助院(同市西出津町)では4日、台風9号による被害を修復した。接近する台風10号に備え、5日までに応急処置を終える。
 同市文化財課によると、同救助院の授産場(国指定重要文化財)では海側の木製雨戸が外れ破損、マカロニ工場(同)と旧製粉工場の屋根瓦計10枚以上が浮き上がるなどした。同日は瓦をふき直した。