カトリック長崎大司教区の男性神父が教区の資金計約2億5千万円を無断流用したとされる問題で、大司教区は1日付で発行した内部向け機関紙「カトリック教報」で流用を認めて経緯を説明し、高見三明大司教が「全て私の責任。心からおわびする」と謝罪した。
教報によると、2013年7月、当時教区の会計担当だった男性神父は知人の依頼を受け5千万円を貸し付けた。その後も知人が関与する事業に1億円を投資し、さらに1億円を貸し付けた。いずれも独断だった。資金は大浦天主堂(長崎市南山手町)の拝観料などを流用したという。これまでに回収できたのは1800万円にとどまっている。
教報で高見大司教は「教区のためとはいえ、本来聖職者が直接関わるべきでない事業に、単独で、教区の特別会計の中から貴重な資金を投資と貸し付けに使ってしまった。監督者として責任を痛感する」。今後については「可能な限り修復に努めてまいる」とした。
男性神父も「主キリストと教会を傷つけ、不信とつまずき、痛みと悲しみを招いたことを深く反省」すると謝罪した。