FFGなど連携 電子地域通貨「ミナコ」運用へ 南島原市

2020/08/29 [00:00] 公開

南島原市の電子地域通貨「ミナコ」を活用した連携を誓う松本市長(中央)ら代表者=同市役所(撮影のためマスクを外しています)

南島原市の電子地域通貨「ミナコ」を活用した連携を誓う松本市長(中央)ら代表者=同市役所(撮影のためマスクを外しています)

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 長崎県南島原市は28日、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)や市商工会などと連携し、市内の参加店で利用できる電子地域通貨「MINAコイン」(通称ミナコ)の運用に取り組むと発表した。スマートフォンやタブレット端末のアプリを活用。市民に消費拡大を促し、地域経済の活性化につなげる狙い。来年2月の本格稼働を目指す。市によると、行政や金融機関、商工会が連携した市民向けサービスは県内初という。
 電子地域通貨は▽電子化によるコスト削減▽特定エリア限定による域内消費拡大-という二つの長所を兼ね備え、岐阜県飛騨市や千葉県木更津市など全国の自治体で導入が進んでいる。
 南島原市は大型のドラッグストア出店が相次ぎ、地元商店での消費が落ち込んでいる。また、大型商業施設のある近隣市に出掛けて買い物することも多く“南島原経済の縮小”が課題となっている。
 こうした状況を打破しようと市は経済対策を模索。FFGから提案のあった「電子地域通貨事業」に取り組むことになった。
 利用者はスマホなどで専用アプリをダウンロードして、コイン(1円=1コイン)をチャージ。参加店でQRコードを読み込めば商品などを購入できるほか、お得な情報や地域情報を取得できる。
 店側はクレジットカードで必要なカード読み取り機が不要で、初期投資はほとんど掛からない。アプリを活用した独自情報の発信や売り上げデータの可視化による戦略立案が可能になるほか、市内の事業者間の電子商取引にも活用できる。
 市はイベントやボランティアに参加した市民にポイントを付与し、買い物に使える仕組みなどメリットを検討。市商工会は銀行と連携し、参加店の拡大を図る。
 松本政博市長は「(ミナコで)『人』の流出だけではなく、市外への『お金』の流出を抑制できる。関係者とスクラムを組んで市内の消費拡大、地域経済の活性化を図る。住み続けたい、住んでみたいまちづくりを実現したい」と期待を込めた。