ハワイなど国内外で原爆展 長崎市が被爆80年で42事業 予算案に1億4800万円

2025/02/13 [10:40] 公開

長崎市は12日、2025年度に実施する被爆80周年記念事業42件を発表した。8月9日の平和祈念式典に在外被爆者4人を招待。被爆地・広島市と共同で米ハワイなど国内外3カ所で原爆展を開催する。新年度一般会計当初予算案に1億4800万円を計上した。
 在外被爆者には、式典前後に被爆体験や平和への思いを語ってもらう場を設ける。事業費は440万円。
 原爆展開催事業は540万円。ハワイ真珠湾に係留されている戦艦ミズーリ記念館のほか、大阪・関西万博に合わせ、大阪市内で開く。被爆資料の展示や被爆講話などを計画。東京の国連大学では、原爆写真ポスター展を開催する。
 核戦争防止国際医師会議(IPPNW)世界大会など長崎市内での国際会議に合わせ、証言などで被爆の実相を伝えるプログラムは400万円。長崎平和ハーフマラソンには2500万円を計上した。26年度に展示更新を予定する長崎原爆資料館を巡っては、25年度中に策定する実施設計の業務委託費に2500万円。
 鈴木史朗市長は12日の会見で、昨年の日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞や、国際情勢などを踏まえ「被爆地に世界的な関心が高まっている」と指摘。「節目の被爆80周年の機を捉え、積極的に世界に向けて被爆の実相や、平和の尊さを発信したい」と述べた。