インバウンド取り込みが重要 長崎県観光審議会 次期計画策定へ意見交換

2024/11/09 [11:11] 公開

次期県観光振興基本計画の方向性を話し合った県観光審議会=県庁

次期県観光振興基本計画の方向性を話し合った県観光審議会=県庁

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長崎県観光審議会(会長・井上英也長崎国際大教授)は8日、本年度の初会合を県庁で開き、2026年度からの新たな県観光振興基本計画策定に向けた意見交換が始まった。県は人口減少に伴い国内旅行者の規模が縮小することからインバウンド(訪日客)の取り込みが重要だとし、海外向けプロモーションの強化などを「取り組みの方向性」として示した。
 21年度から5年間の現行計画は、▽滞在型コンテンツの充実▽おもてなし力の向上▽安全・安心対策や高付加価値化の推進▽ターゲットに応じた情報発信と周遊観光の促進▽インバウンド観光の推進-の五つの柱を据え、施策を展開。来年度が最終年度になる。
 県によると、23年は新型コロナウイルス感染症の「5類移行」で、観光消費額や延べ宿泊数は回復したが、リピーター率が九州平均を下回った。また延べ宿泊者数全体に占める外国人の割合は7・4%で、目標の48%を大きく下回っている。
 会合では県が現時点の計画の進捗(しんちょく)状況を示し、次期計画の方向性について委員に意見を求めた。次期計画で、県が海外向けプロモーションの強化やインバウンド向けコンテンツづくりなどを「取り組みの方向性」として盛り込んだことに対し、委員からは「施策が総花的になっている。目標を絞り、メリハリをつけることも必要」「インバウンド偏重で観光地が画一化する恐れはないか」などの意見が上がった。
 今後も会合を重ね、来年度中の計画策定を目指す。県文化観光国際部の伊達良弘部長は「平和、文化、歴史など多様な強みをどう活用するかを考えながら、策定を進めたい」と述べた。