長崎市の三菱重工業長崎造船所で7日、大型高速フェリーが進水し「はまゆう」と名付けられた。来年7月に就航し、関東と九州を結ぶ初の高速フェリーとして物流や観光の一翼を担う。
新日本海フェリー(大阪市)が2隻発注したうちの1隻目。関連会社の東京九州フェリー(北九州市)が横須賀-新門司の新航路に同時就航させる。時速52キロで進み、976キロの距離を約21時間で結ぶ。ダイヤは日曜を除く週6便。新門司発の場合、午前0時出港、当日午後8時45分到着となる予定。
全長222メートル、幅25メートル、総トン数1万5400トン。事業費は非公表。
旅客は定員268人。従来型フェリーに多い大広間タイプではなく、個室や寝台が中心で「新型コロナウイルス対策にもなる」(新日本海フェリー)。レストランやバーベキューコーナー、露天風呂、シアターも備える。
貨物はトラック154台、乗用車30台を積載できる。食品の鮮度保持用電源やトラックドライバー専用の浴室・食堂もある。関東-九州間の3日目配送が可能となる。
新日本海フェリーは「関東と九州の懸け橋として新たな需要を開拓する」としている。
長崎市東立神町の同造船所本工場のドックであった命名・進水式には、船会社の入谷泰生社長と、建造している三菱造船(横浜市)の北村徹社長らが出席した。