長崎大は4日、大気汚染物質の一種である微小粒子状物質「PM2.5」が2~4日にかけて、県内の大部分で基準を超える濃度で観測されたと発表した。九州南部などの火山から出たガスの影響と分析。吸引すると呼吸器疾患などを引き起こす可能性があり注意を呼び掛けている。
同大環境科学部大気環境科学研究室の中山智喜准教授によると、県と大学が県内31カ所に設置した測定機の大半で環境基準(1日平均1立方メートル当たり35マイクログラム以下)を上回った。長崎市の市立稲佐小では2~4日午前11時までに、1立方メートル当たり40~60マイクログラム程度が観測された。
夏はアジア大陸から運ばれてくる大気汚染物質は少なく、地表と上空の大気も混ざって薄まるため高濃度のPM2.5の観測は珍しいという。
同研究室は、九州南部の口永良部島や桜島、東京・小笠原諸島の西之島の火山から出たガスから生成された粒子の影響と推測。「乳児や高齢者、ぜんそくなどの既往症がある人は屋外での長時間の活動を避けるなど注意してほしい」としている。
長崎県内 高濃度「PM2.5」観測 火山ガス影響か
2020/08/05 [10:00] 公開