県陸上選手権 女子七種競技・山崎(スズキ浜松AC) 大会新V

2020/07/20 [16:00] 公開

女子七種競技の全種目を終えて、高校生を笑顔でねぎらう山崎(スズキ浜松AC)=トランスコスモススタジアム長崎

女子七種競技の全種目を終えて、高校生を笑顔でねぎらう山崎(スズキ浜松AC)=トランスコスモススタジアム長崎

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 陸上の県選手権最終日は19日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で男女計12種目と女子七種競技の後半が行われ、女子七種競技は2018年アジア大会銅メダリストの山崎有紀(スズキ浜松AC)が5534点で大会新Vを飾った。
 コロナ禍によるインターハイ中止を受けて、日本陸連が設けた「全国高校リモート選手権」の指定大会。競技結果を得点化してランキングをつける。女子やり投げは寺田奈津美(諫早高)が53メートル68の好記録でV2を飾った。
 200メートルの女子は渡邊輝(福岡大)が大会新の24秒40、男子は永田駿斗(住友電工)が21秒31で制した。男子やり投げは今田直弥(長崎AC)が自らの大会記録を塗り替える70メートル03で6連覇を達成。女子800メートルは玖島中2年の船木歌が2分16秒25で優勝した。
 大会はコロナ感染防止のため、応援エリアを観客席の2階にチーム関係者、3階に保護者らと分けて設定。観客はルールを守り、互いの間隔を空けて拍手のみで選手たちを後押しした。

◎後輩らの思い胸に世界へ

 東京五輪女子七種競技日本代表候補の山崎(スズキ浜松AC、長崎南高出身)が、地元で国内トップレベルの技術を披露した。2日間の相手は高校生たち。「一緒に試合ができてうれしかった。もう少しいいところを見せたかったけれど…」と謙遜したが、大会記録を1200点近く塗り替える5534点のパフォーマンスは圧巻だった。
 コロナ禍で東京五輪が1年延期になって約4カ月がたつ。七種競技の五輪参加標準は6420点。自己ベスト5836点の25歳は「延期はチャンス」と捉えている。「1年を有効に使って世界との差を縮める」。この覚悟は常に胸の中にある。
 ただ、このコロナ禍で、拠点とする母校の九共大(北九州市)も使用制限があり、まだ本格的な練習に戻れていない。トレーニングを工夫しながら、懸命にモチベーションを保つ中で、今大会の出場機会を得た。「全体的に8割くらいの結果だったけれど、現状を把握することはできた」
 最終種目の800メートルはスタートから独走してフィニッシュ。ゴールで後続の高校生たちを迎えて、一人一人、笑顔でねぎらった。県高総体もインターハイも味わえなかった今季の高校生。涙ぐむ後輩たちを見て、新たな思いが湧いてきた。
 「彼女たちの気持ちを思うと泣けてくる。みんなの分も頑張らないと」。地元に勇気と元気をもらい、また世界の舞台へ挑んでいく。