九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式を巡る水嶋智国土交通省鉄道局長と報道陣の主なやりとりは次の通り。
-国交省の担当課長と佐賀県の担当部長の次回の協議予定は。
現在、佐賀県議会が開かれており、具体的な日程は決まっていないが、できるだけ早期に2回目の協議を実施したい。
-五つの整備方式すべてに対応できる環境影響評価(アセスメント)開始の提案について、佐賀県は実質的にフル規格とミニ新幹線のアセスのためと受け止めている。
決してそうではない。整備方式がスーパー特急になった場合、既に敷設しているフル規格の線路をはがすという大工事が必要になり、事業主体が自主的にアセスを実施して環境に対する配慮を行うことは法でも奨励されている。
-国交省が環境アセスを提案した翌日の佐賀県議会で担当部長が「同意できない」と答弁しているが、拒否されたと受け止めていないのか。
まったくそうは思っていない。非常に重要な提案なので、佐賀県庁の中でさまざまな角度から議論をしていただく問題がある。担当部長の答弁が最終回答とは思っていない。
-国交省の課長と佐賀県の部長の公開の協議で事態が進むのか。国交相から佐賀県知事への働き掛けはあるのか。
局面次第でそういうこともあるという趣旨を大臣も申し上げているが、今は佐賀県が完全公開の場で部長と課長による議論をしたいという希望なのでそういう形になる。ただ一般論として物事の調整について、テレビカメラが回っているところですべての交渉と決着が行われるのは行政の歴史上あまり例を見ない。佐賀県との信頼関係が大変重要なので、さまざまな形でコミュニケーションを取って良い知恵を出し合いたい。