世界の核弾頭1万3410発 中国が3番目に多い国に 長大レクナ推計

2020/06/10 [12:00] 公開

世界の核弾頭数

世界の核弾頭数

大きい写真を見る

 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)は9日、世界にある核弾頭数は9カ国で計1万3410発とする6月時点の推計結果を発表した。前年同期から計470発減少した一方、中国は30発増の320発とフランスを抜き、ロシア、米国に次いで3番目に多い国となった。レクナは、米中の軍事的対立が背景にあるとみている。
 中国の核弾頭数は昨年の推計でも20発増えており、増加傾向にあるとみられる。梅林宏道客員教授は「米ロの核軍縮のプロセスに中国も巻き込むことが必要だ。まずは米ロが積極的に軍縮に取り組まなければならない」と指摘した。
 中国以外の国の核弾頭数はロシア6370発、米国5800発、フランス290発、英国195発、パキスタン160発、インド150発、イスラエル80~90発、北朝鮮35発。
 核兵器に使われる恐れがある世界の核物質量の推計結果(6月時点)もあわせて発表した。高濃縮ウランは広島原爆2万860発分に相当する1335トンで、前年度から5.2トン減少。一方、分離プルトニウムは長崎原爆8万8200発分に相当する530トンで7トン増加した。鈴木達治郎副センター長は「核物質が増加していることは今後、核兵器に使われる恐れがあるということだ」と指摘した。
 核弾頭数などは、各国専門機関の情報や研究者の文献を基に推計した。データをまとめたポスターを全国の教育委員会や県内の高校などに配布し、平和教育に活用してもらう。