2月の大阪マラソン男子で初マラソン日本最高記録となる2時間5分39秒を出して、9月に東京で開催される世界選手権の代表入りした近藤亮太(三菱重工)。全国的に無名だった島原市出身のランナーが、世界最高の舞台を射止めた。長距離界の新星がどんな走りを見せてくれるか。大阪の快走を「自分の限界を知らずに、がむしゃらに走っていた」と謙虚に振り返る25歳に、本番の目標などを聞いた。
-大阪マラソンで外国人選手と最後まで優勝争いをして日本人トップの2位。正直、どんな気持ちだったか。
15キロ過ぎに好調を実感した。20キロ過ぎに一度きつくなったけれど、一緒に練習していた定方(俊樹)さんに「我慢していると楽になる瞬間がある」と教わっていて、本当にそうなった。今回は時計をつけていなかった。前の選手がゴールした瞬間にタイマーが見えた。それから自分がゴールするまでの2秒間で悔しさと、それ以上のうれしさが込み上げてきた。
-好記録の要因は。
いっぱいあるけれど、一番は無駄なことを考えなかったからかなと思う。心理的なハードルを高くしていなかった。定方さんをはじめ、何人か目安になる人を見つけて、ひたすら前の選手のお尻を見て走るように心がけた。上半身が前傾して自然と体幹に力が入るという自分のフォームに落とし込めた。ペースの上げ下げや気象条件とかを一切考えず、自分の体だけに集中して走れた。
-レース後の反響は。
地元の方からメッセージをいただいたり、多くの人から勇気をもらったと言葉をかけてもらった。身近な人を喜ばせる走りができて良かった。
-大阪から1週間後の東京マラソンが最後の選考会。その結果次第で代表入りが左右される。ハイペースで進んだ東京のレースを見ていたときの心境を。
三菱重工の井上(大仁)さん、山下(一貴)さんを応援していた。世界選手権の行方も気になったけれど、どうせ抜かれるならチームメートが行ってほしいという気持ちが強かった。
-三菱重工はマラソンのトップランナーが次々に生まれる。強さの秘訣(ひけつ)は。
練習でも何でも、決めたことは最後までやり通す、妥協しないという雰囲気がある。なぜ、この練習をやらなきゃいけないのか、この練習が何につながっているのかを真剣に考えている。これまで積み重ねてきた先輩たちの成功や失敗をみんなで共有して、チームとして経験が蓄積されているのが大きい。
-大学時代までは特に目立った成績を残していない。自身が強くなった要因は。
中高はただただ、記録が伸びるのが楽しかった。大学で試合に出られない悔しさもあったけれど、こんなものではないと自分を鼓舞しながらやってきた。すぐに結果が出なくても、目標を持って、感謝の気持ちを大事にすれば結果はついてくると思う。中3、高2、3年時に教わった山本光雄さんから、大学進学後も毎週のように「調子はどうだ」と電話をもらった。最後まで箱根駅伝を目指して頑張れたのは、山本さんを喜ばせたいと思ったから。今回、結果を出して喜ばせることができて良かった。
-半年後、世界のスタートラインに立つ。意気込みを。
マラソンで世界と戦うことは、三菱重工入社時に決めた目標の一つ。9月の東京は相当暑いだろうが、ハードコンディションに強い方。ワンチャンスあると思っている。いかに自分を持って、ペースの上げ下げを乗り切るかがポイント。入賞を目指したい。
-大阪マラソンで外国人選手と最後まで優勝争いをして日本人トップの2位。正直、どんな気持ちだったか。
15キロ過ぎに好調を実感した。20キロ過ぎに一度きつくなったけれど、一緒に練習していた定方(俊樹)さんに「我慢していると楽になる瞬間がある」と教わっていて、本当にそうなった。今回は時計をつけていなかった。前の選手がゴールした瞬間にタイマーが見えた。それから自分がゴールするまでの2秒間で悔しさと、それ以上のうれしさが込み上げてきた。
-好記録の要因は。
いっぱいあるけれど、一番は無駄なことを考えなかったからかなと思う。心理的なハードルを高くしていなかった。定方さんをはじめ、何人か目安になる人を見つけて、ひたすら前の選手のお尻を見て走るように心がけた。上半身が前傾して自然と体幹に力が入るという自分のフォームに落とし込めた。ペースの上げ下げや気象条件とかを一切考えず、自分の体だけに集中して走れた。
-レース後の反響は。
地元の方からメッセージをいただいたり、多くの人から勇気をもらったと言葉をかけてもらった。身近な人を喜ばせる走りができて良かった。
-大阪から1週間後の東京マラソンが最後の選考会。その結果次第で代表入りが左右される。ハイペースで進んだ東京のレースを見ていたときの心境を。
三菱重工の井上(大仁)さん、山下(一貴)さんを応援していた。世界選手権の行方も気になったけれど、どうせ抜かれるならチームメートが行ってほしいという気持ちが強かった。
-三菱重工はマラソンのトップランナーが次々に生まれる。強さの秘訣(ひけつ)は。
練習でも何でも、決めたことは最後までやり通す、妥協しないという雰囲気がある。なぜ、この練習をやらなきゃいけないのか、この練習が何につながっているのかを真剣に考えている。これまで積み重ねてきた先輩たちの成功や失敗をみんなで共有して、チームとして経験が蓄積されているのが大きい。
-大学時代までは特に目立った成績を残していない。自身が強くなった要因は。
中高はただただ、記録が伸びるのが楽しかった。大学で試合に出られない悔しさもあったけれど、こんなものではないと自分を鼓舞しながらやってきた。すぐに結果が出なくても、目標を持って、感謝の気持ちを大事にすれば結果はついてくると思う。中3、高2、3年時に教わった山本光雄さんから、大学進学後も毎週のように「調子はどうだ」と電話をもらった。最後まで箱根駅伝を目指して頑張れたのは、山本さんを喜ばせたいと思ったから。今回、結果を出して喜ばせることができて良かった。
-半年後、世界のスタートラインに立つ。意気込みを。
マラソンで世界と戦うことは、三菱重工入社時に決めた目標の一つ。9月の東京は相当暑いだろうが、ハードコンディションに強い方。ワンチャンスあると思っている。いかに自分を持って、ペースの上げ下げを乗り切るかがポイント。入賞を目指したい。