大石知事ら3人不起訴 公選法違反 長崎地検「嫌疑不十分」

2024/10/09 [10:30] 公開

2022年2月の知事選を巡る公選法違反(事後買収など)の疑いで告発されていた大石賢吾知事ら計3人について、長崎地検は8日、嫌疑不十分で不起訴にしたと明らかにした。同日付。
 同地検は処分理由について「犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分だった」と説明。最初の告発から処分まで2年以上かかったことについては「捜査の内容に関わるため回答を差し控える」と述べるにとどめた。
 不起訴処分になったのは大石氏のほか、陣営の出納責任者の男性(61)と東京のコンサルタント会社代表取締役の男性(36)。大石氏は「厳正な捜査の結果、適切に判断いただいたものと考えている。引き続き、県政発展のため、真摯(しんし)に取り組んでいく」とのコメントを発表した。
 元長崎地検次席検事の郷原信郎弁護士と神戸学院大法学部の上脇博之教授が、知事選時に大石氏の事務所が東京のコンサル会社に「電話料金」名目で約400万円を支払ったのは実質的な選挙運動の報酬に当たるとして、22年6月、同容疑で出納責任者と同社代表取締役を、24年1月に大石氏をそれぞれ同地検に告発していた。
 郷原氏は取材に「2年余りにわたって捜査は尽くしてくれた。今回の件が知事選に絡む一連の疑惑の発端となり(告発は)十分意味があった。今後の捜査に期待したい」と語った。
 郷原氏らは今回の件と別に、22年政治資金収支報告書に虚偽記入した公選法違反の疑いがあるなどとして大石氏らを同地検に告発済み。知事の後援会の元監査人も政治資金問題に絡み、計9件告発したと発表している。同地検は、これら告発の受理の有無について「回答は差し控える」とした。