臨床実習で連携強化 長崎医技専とリハビリテーション病院 人材育成や質の高い医療を

2024/10/10 [11:45] 公開

臨床実習で指導役の理学療法士(左)からひざの可動域を測る際のポイントを学ぶ生徒=長崎市、長崎リハビリテーション病院

臨床実習で指導役の理学療法士(左)からひざの可動域を測る際のポイントを学ぶ生徒=長崎市、長崎リハビリテーション病院

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長崎市の長崎医療技術専門学校(愛宕1丁目、淡野義長校長)と長崎リハビリテーション病院(銀屋町、鬼塚伸也院長)は本年度、同病院が「主たる実習施設」として同校の生徒を受け入れる「臨床実習等に関する契約」を結んだ。リハビリ職に携わる人材の安定的育成や質の高い医療提供を目指し、人材交流の活発化など連携強化を図る。
 2020年から適用された国の「理学療法士作業療法士養成施設指導ガイドライン」に基づく契約で、県内三つのリハビリ系専門学校では初。高齢社会に伴う医療需要の増大などで理学療法士と作業療法士に求められる役割や知識が変化する中、国は20年から新カリキュラムを導入。同ガイドラインでは臨床実習の質の向上を目指し、養成施設への近接など要件を満たす「主たる実習施設を置くことが望ましい」と規定した。
 同校には1日現在、理学療法と作業療法の2学科3学年に計184人が在籍。県内外延べ約400の医療機関で臨床実習を受けている。同病院はこれまでも臨床実習の場として同校の生徒を受け入れてきたが、作業療法士でもある淡野校長が昨年3月まで同病院に在籍していた縁で、今年8月下旬に契約を締結。両者が連携することで、同校の教員は臨床の現場への理解をより深めることができ、生徒が同病院に就職した場合には切れ目のないサポートが期待できる。
 同病院教育研修部の中島龍星部長は「臨床の現状を先生が知った上で指導してもらうことで学生が就職した時に役立つのでは。一緒に人材を育てたい」。淡野校長は「連携が深まれば教育の質の向上が期待でき、学生や卒業生のフォローもやりやすくなる。最新の技法の勉強会なども開き、相互発展を目指したい」と語る。