昨夏の北部九州インターハイ柔道女子個人48キロ級決勝。長崎明誠高の近藤杏樹は自信を持って畳の上に立った。春の全国高校選手権は決勝で敗れて銀メダル。「重圧はあったけど、負ける気はしなかった」。心は熱く、頭は冷静に-。攻め続けて52秒。3年間、磨いてきた寝技で悲願の日本一をつかんだ。柔道女子個人で長崎県勢14年ぶりの快挙だった。
広島県出身。中学3年の9月、長崎明誠高の練習に参加した。活気にあふれ、誰一人手を抜かずに稽古に励んでいる。練習から勝負にこだわっていた。圧倒された。同時に思った。「ここに入学して、もっと強くなりたい」。縁もゆかりもない長崎への進学を決めた。
1学年上の先輩に、同じ階級で全国高校選手権、北海道インターハイともに準優勝した畑山凜(明治国際医療大)がいた。「超えなければいけない存在」。打ち込みのパートナーを務め、勝負へのこだわり、練習に対する姿勢を学び、強さを近くで感じてきた。
だが、そう簡単に結果は出なかった。畑山と練習を重ねてきたことで「勝てる自信」を持って臨んだ2年時の県新人大会。個人48キロ級決勝でゴールデンスコアの末、創成館高の選手に敗れた。「心に隙があった…」。続く全国高校選手権で準優勝したが、6月の九州大会はまさかの初戦敗退。九州ジュニア体重別選手権も後輩に敗れた。
挫折を繰り返した末、立ち返ったのは自らの柔道の原点。組み手を見直し、速さを意識しながら、持ち味の寝技に磨きをかけた。迎えた高校最後のインターハイ。日本一に輝き、常に意識していた畑山の成績を超えた。それまでの敗戦の悔しさを力に変え、より強い自信を持って闘うことができた。
以降は国際舞台でも活躍。世代別日本代表に選ばれ、昨年12月のクリスマス杯エクサンプロバンスジュニア大会(フランス)で3位になった。2月のベルギー国際大会では全試合一本勝ちで頂点に立った。「こんな高校生活を過ごせるなんて1ミリも思っていなかった。練習はきつかったけど、結果を出せて夢みたいな時間だった」
4月からは山梨学院大へ進学。1年時から全日本ジュニア体重別選手権などでの優勝を目標に掲げている。そこで楽しみにしているのが、背中を追い続けてきた畑山との対戦だ。「凜先輩に負けたくない。今からワクワクしている」。高校時代に培った負けない心と自信を胸に、新たなステージでも飛躍してみせる。
【略歴】こんどう・あんじゅ 広島県呉市出身。兄の影響で9歳から柔道を始めた。個人48キロ級で昨年3月の全国高校選手権で準優勝、8月のインターハイで優勝。その後は世代別日本代表としてクリスマス杯エクサンプロバンスジュニア大会で3位、ベルギー国際大会で優勝した。試合前は愛犬の写真を見て心を落ち着かせている。身長153センチ。
広島県出身。中学3年の9月、長崎明誠高の練習に参加した。活気にあふれ、誰一人手を抜かずに稽古に励んでいる。練習から勝負にこだわっていた。圧倒された。同時に思った。「ここに入学して、もっと強くなりたい」。縁もゆかりもない長崎への進学を決めた。
1学年上の先輩に、同じ階級で全国高校選手権、北海道インターハイともに準優勝した畑山凜(明治国際医療大)がいた。「超えなければいけない存在」。打ち込みのパートナーを務め、勝負へのこだわり、練習に対する姿勢を学び、強さを近くで感じてきた。
だが、そう簡単に結果は出なかった。畑山と練習を重ねてきたことで「勝てる自信」を持って臨んだ2年時の県新人大会。個人48キロ級決勝でゴールデンスコアの末、創成館高の選手に敗れた。「心に隙があった…」。続く全国高校選手権で準優勝したが、6月の九州大会はまさかの初戦敗退。九州ジュニア体重別選手権も後輩に敗れた。
挫折を繰り返した末、立ち返ったのは自らの柔道の原点。組み手を見直し、速さを意識しながら、持ち味の寝技に磨きをかけた。迎えた高校最後のインターハイ。日本一に輝き、常に意識していた畑山の成績を超えた。それまでの敗戦の悔しさを力に変え、より強い自信を持って闘うことができた。
以降は国際舞台でも活躍。世代別日本代表に選ばれ、昨年12月のクリスマス杯エクサンプロバンスジュニア大会(フランス)で3位になった。2月のベルギー国際大会では全試合一本勝ちで頂点に立った。「こんな高校生活を過ごせるなんて1ミリも思っていなかった。練習はきつかったけど、結果を出せて夢みたいな時間だった」
4月からは山梨学院大へ進学。1年時から全日本ジュニア体重別選手権などでの優勝を目標に掲げている。そこで楽しみにしているのが、背中を追い続けてきた畑山との対戦だ。「凜先輩に負けたくない。今からワクワクしている」。高校時代に培った負けない心と自信を胸に、新たなステージでも飛躍してみせる。
【略歴】こんどう・あんじゅ 広島県呉市出身。兄の影響で9歳から柔道を始めた。個人48キロ級で昨年3月の全国高校選手権で準優勝、8月のインターハイで優勝。その後は世代別日本代表としてクリスマス杯エクサンプロバンスジュニア大会で3位、ベルギー国際大会で優勝した。試合前は愛犬の写真を見て心を落ち着かせている。身長153センチ。