「理想に近づいている」 スタジアムシティ開業100日で岩下社長 イベント多彩、153万人来場

2025/01/30 [12:00] 公開

開業からの100日を振り返る岩下社長=長崎市、長崎スタジアムシティ

開業からの100日を振り返る岩下社長=長崎市、長崎スタジアムシティ

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長崎市幸町の大型複合施設、長崎スタジアムシティが21日で開業100日となった。昨年10月の開業から21日までに約153万人が来場。施設の運営を担うジャパネットグループ、リージョナルクリエーション長崎(同市)の岩下英樹社長は長崎新聞の取材に、今月開かれたアイスショーなどの成功例を挙げ、来場者へのホスピタリティー(おもてなし)向上などに「手応えを感じている」と振り返った。「一歩ずつだが、理想への階段を上がれている」と実感を込めた。
 サッカーJ2、V・ファーレン長崎のホームゲーム全4試合にはいずれもほぼ満員の約2万人が来場。シーズン終了後もイルミネーションの点灯やアイスショー、コンサートなど多彩なイベントを開催。こうした経験を重ねていくことでホスピタリティーやオペレーションの質は向上していると言う。
 新年は元旦から営業し、連日2万人前後が訪れた。岩下社長は「元旦から開けるか迷った」と明かした上で、「経験していないことで分からなければ、まずやってみるという姿勢で臨んでいる」と話す。
 課題もある。昨年12月下旬にアリーナで開いたイベント時に駐車場が混雑。出庫に「1時間かかった」という声も。開業直後はサッカーなど大型イベントの際、渋滞対策として公共交通の利用を呼びかけ、周辺道路や駐車場の目立った渋滞・混雑はなかった。岩下社長は「子ども向けのイベントなどは駐車場の利用が強く望まれるケース」と説明。対策として精算機の増設や、スマートフォンアプリで精算を完結できるようにする準備に取りかかっているとした。
 寒さが本格化してからは夜間の来場者が減少傾向で、屋外施設としての課題も見えてきた。岩下社長は「それぞれの季節を体感して分かることもある。1年経験して次のシーズンには対策を立てるということを繰り返していきたい」と述べた。
 県内経済団体の新年交歓会などではスタジアムシティに期待する声が多く聞かれた。集客力はこれまでに実証されており、中心商店街など「まちなか」への回遊が望まれる。長崎市は3月からV長崎のホームゲームの日にスタジアムと同市の繁華街を結ぶ無料シャトルバスを運行する計画。岩下社長は行政や企業、団体などとの連携について「微力だが、お手伝いできることには取り組みたい」と前向きな姿勢を示した。