SB子会社が長崎に研究拠点 スタジアムシティで実証 1万人同時に無線LAN、通信環境維持

2024/10/17 [12:23] 公開

立地協定締結を発表した(左から)宮地県産業労働部長、宮脇取締役、大賀長崎市経済産業部長=長崎県庁

立地協定締結を発表した(左から)宮地県産業労働部長、宮脇取締役、大賀長崎市経済産業部長=長崎県庁

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ソフトバンクの子会社SBエンジニアリング(東京、三宅富男社長)と県、長崎市は16日、県庁で、8月末に締結した立地協定の発表式を開いた。
 SBエンジニアリングは協定に基づき今月1日、同社初の研究開発拠点「テックフォーサイトラボ長崎」を、長崎市幸町の長崎スタジアムシティ内に開設した。5年間で18人の雇用を見込む。
 ラボ長崎は、スマートシティーなどに対応した次世代ネットワークの設計や検証を担う。無線環境は机上での品質確認が困難だが、ラボでは実機を使い、新製品の品質・仕様の確認が可能になるという。
 SBエンジニアリングはスタジアムシティや東京大などに大規模な無線LANネットワークを構築。13日にスタジアムシティで開催されたシンガー・ソングライター福山雅治さんのライブには約3万人が来場。約1万人が同時に無線LANを使用したが、快適な通信環境を維持できたという。
 発表式にはSBエンジニアリングの宮脇崇取締役と宮地智弘県産業労働部長、大賀史郎同市経済産業部長が出席。宮脇氏は「長崎の地方創生に貢献したい。長崎スタジアムシティでの取り組みを成功事例として全国に展開していきたい」と語った。

◎一問一答 SBエンジニアリング 宮脇崇取締役 長崎モデルを全国へ

 SBエンジニアリングの宮脇崇取締役に事業所開設の狙いや雇用などについて聞いた。

 -長崎進出の決め手は。
 長崎スタジアムシティの開業が一番の要因。(情報通信技術=ICTを生かした最先端のまちづくりを進める)スマートシティーの事業に参画できるのは大きなチャンス。全国でスマートシティーは計画されているが、構築・実装されたのはスタジアムシティが最初と言っていい。地方創生を民間主導でやり遂げるという思いと、最新のテクノロジーを詰めていこうという思いが私たちに響いた。

 -長崎での事業は。
 スタジアムシティのネットワークで使う実機の検証を行い、ソリューション(企業が抱える課題解決につながる技術)の開発を進める。長崎をモデルケースにしてスマートシティーの案件を全国で多く手がけていきたい。

 -雇用や人材について。
 既に地元から4人採用した。長崎県には長崎大や県立大、佐世保高専などがあり、技術者として優秀な人材がそろっている印象。地方創生をビジネスとして成り立たせるために雇用は重要だ。長崎のラボを今後拡大し、有能な人材が魅力を感じてくれるような拠点にしたい。