歌舞伎界の名門、市川宗家一門の四代目市川九團次さん(52)が、縁もゆかりもない五島に魅了され、通い続けている。自主公演や小中学生との交流を通じて歌舞伎の魅力を伝え、農業にも従事。市民との交流を目指す「歌舞伎カフェ」の開業も計画中だ。なぜ五島なのか。魅力を聞いた。
-なぜ五島に。
2年前の夏、知人の勧めで訪れ、空海ゆかりの地に深い感銘を受けた。特に空海が滞在したという明星院では、彼の存在を強く感じ心が震えた。所属する市川宗家「成田屋」も空海が開いた真言宗の成田山新勝寺と深い縁があり、不思議な巡り合わせを感じた。高浜海水浴場の今まで見たことのない透明な海の美しさに息をのみ、「五島で何かしたい」という強い衝動に駆られ、すぐにアパートを借りて拠点をつくった。
-五島の魅力は。
東京で抱えていた切羽詰まった気持ちから解放され、まるでパワースポットにいるような感覚を味わえる。人々の温かなおもてなしに触れ、心が解きほぐされる。独特の激しい気候は、歌舞伎の舞台装置のようだ。滞在中のある日は、強風や雷雨、晴れ間から虹と多彩な表情を見せてくれた。石積みの城下町のたたずまいも相まって、魅力は尽きることがない。心を癒やし、また戻りたいと思わせる不思議な力を持っている。
-農業活動について。
昨年、農業法人を立ち上げ、富江町田尾地区で米作りを始めた。海に近いこの地で育つ米は、寒暖差と潮風の恵みを受け、驚くほどおいしい。「ばらもん米」と名付け、パッケージデザインも描き、歌舞伎座で販売している。食を通じ五島をもっとPRしたい。
-今後の活動は。
来年、歌舞伎カフェをオープンする。歌舞伎の要素を取り入れた空間で、役者との交流や衣装ショーなど、本物の日本文化を体験してもらいたい。細川忠興夫婦を描いた演目「ガラシャ」を五島の教会で上演する夢や、バラモン伝説と融合させた新演目も実現させたい。五島の子どもたちに歌舞伎の魅力を伝え、一緒に演じることができる機会ができればうれしい。
【プロフィル】1972年、千葉県野田市生まれ。98年に大阪松竹座で初舞台を踏み、2005年に四代目坂東薪車を襲名。14年に市川海老蔵(現市川團十郎)の一門となり翌年、四代目市川九團次を襲名。舞台やテレビ番組などでも活躍し、料理や絵画、デザイナーなど多彩な一面を持つ。
-なぜ五島に。
2年前の夏、知人の勧めで訪れ、空海ゆかりの地に深い感銘を受けた。特に空海が滞在したという明星院では、彼の存在を強く感じ心が震えた。所属する市川宗家「成田屋」も空海が開いた真言宗の成田山新勝寺と深い縁があり、不思議な巡り合わせを感じた。高浜海水浴場の今まで見たことのない透明な海の美しさに息をのみ、「五島で何かしたい」という強い衝動に駆られ、すぐにアパートを借りて拠点をつくった。
-五島の魅力は。
東京で抱えていた切羽詰まった気持ちから解放され、まるでパワースポットにいるような感覚を味わえる。人々の温かなおもてなしに触れ、心が解きほぐされる。独特の激しい気候は、歌舞伎の舞台装置のようだ。滞在中のある日は、強風や雷雨、晴れ間から虹と多彩な表情を見せてくれた。石積みの城下町のたたずまいも相まって、魅力は尽きることがない。心を癒やし、また戻りたいと思わせる不思議な力を持っている。
-農業活動について。
昨年、農業法人を立ち上げ、富江町田尾地区で米作りを始めた。海に近いこの地で育つ米は、寒暖差と潮風の恵みを受け、驚くほどおいしい。「ばらもん米」と名付け、パッケージデザインも描き、歌舞伎座で販売している。食を通じ五島をもっとPRしたい。
-今後の活動は。
来年、歌舞伎カフェをオープンする。歌舞伎の要素を取り入れた空間で、役者との交流や衣装ショーなど、本物の日本文化を体験してもらいたい。細川忠興夫婦を描いた演目「ガラシャ」を五島の教会で上演する夢や、バラモン伝説と融合させた新演目も実現させたい。五島の子どもたちに歌舞伎の魅力を伝え、一緒に演じることができる機会ができればうれしい。
【プロフィル】1972年、千葉県野田市生まれ。98年に大阪松竹座で初舞台を踏み、2005年に四代目坂東薪車を襲名。14年に市川海老蔵(現市川團十郎)の一門となり翌年、四代目市川九團次を襲名。舞台やテレビ番組などでも活躍し、料理や絵画、デザイナーなど多彩な一面を持つ。