長崎・島原農高生がせっけん開発! ハゼの油脂+レモンオイル…地元産にこだわり

長崎新聞 2025/04/22 [11:10] 公開

「はぜっけん」を持つ島原農業高「食品加工部」の生徒=同校

「はぜっけん」を持つ島原農業高「食品加工部」の生徒=同校

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島原特産のハゼから取れる油脂「木ろう」と、島原半島産のレモンオイルを使ったせっけん「はぜっけん」を、長崎県島原市の県立島原農業高「食品加工部」の生徒たちと地元の「本多木蝋(ろう)工業所」(有明町大三東)が共同開発した。「ほのかなレモンの香りがする」などと好評。今後、同工業所で販売を予定している。

 木ろうや和ろうそくを製造している同工業所によると、眉山が崩壊し、津波などで約1万5千人が犠牲になったと伝えられている1792(寛政4)年の「島原大変」の際、田畑に大打撃を受けた島原藩は復興策としてハゼの植樹を奨励。木ろうを生産し、藩政を支えたという。
 木ろうは和ろうそくだけでなく、力士のまげを整える「びんつけ油」などの原料にもなっている。同工業所は、ハゼに親しんでもらえる新商品ができないかと学校側に共同開発を打診していた。
 「食品加工部」の生徒たちは研究を重ね、木ろうが原料のせっけんパウダーを島原の湧水を使って成型。さらに、島原半島で取れるレモンの果皮などを有効活用しようと、遠心分離機で抽出したレモンオイルを香り付けに使用した「はぜっけん」を作った。
 同部の満尾優月さん(16)=食品サイエンス科2年=は、同部がこれまでも乾燥させたレモンの果皮を練り込んだ和ろうそくを開発したことを踏まえ「島原産にこだわり、さらに多くの方々に伝統のハゼ商品を普及したい」と話した。
 同校は、2023年度からハゼノキの植樹やハゼの実の収穫体験などにも取り組んでいる。