V・ファーレン長崎 J1昇格ならず 堅守崩せず完敗、仙台に1-4

2024/12/02 [10:40] 公開

【V長崎―仙台】後半11分、V長崎の松澤(中央)がドリブル突破を図るも阻まれる=長崎市、ピーススタジアム

【V長崎―仙台】後半11分、V長崎の松澤(中央)がドリブル突破を図るも阻まれる=長崎市、ピーススタジアム

  • 【V長崎―仙台】後半11分、V長崎の松澤(中央)がドリブル突破を図るも阻まれる=長崎市、ピーススタジアム
  • 試合後、肩を落とすV長崎の選手たち=ピーススタジアム
大きい写真を見る
J1昇格プレーオフ(PO)準決勝(1日・ピーススタジアムほか=2試合)J2で年間順位3位のV・ファーレン長崎は6位仙台に1-4で完敗し、残り一つの昇格枠が懸かる決勝に進めなかった。もう1試合は5位岡山が4位山形を3-0で下した。
 V長崎は序盤から仙台の堅い守りを崩せず、苦しい展開が続いた。31分にPKで失点。0-1で折り返した後半も8分に追加点を許した。16分にエジガルジュニオのポストプレーから松澤がDFをかわしてシュートを放ったがGK正面。23分に0-3とされた後、31分に松澤、山田からマテウスにつないで1点を返したものの、追加タイムにカウンターから4点目を奪われた。
 POは3~6位によるトーナメント。規定により引き分けの場合は年間順位の上位クラブが勝者となるが、V長崎はアドバンテージを生かせなかった。V長崎は2013、15年に出場して以来3度目のPOで、いずれも準決勝敗退。17年は2位で自動昇格している。
 PO決勝は7日、岡山市のシティライトスタジアムで行われる。岡山は初、仙台は4季ぶりのJ1を目指す。

◎最高の舞台 たどり着けず
 ピースタに無情の笛が鳴り響き、サポーターの声援は力を失った。松澤は地面に崩れ落ち、米田はユニホームで顔を覆って人目をはばからず泣き続けた。ベテランの秋野や中村が、ぼうぜんとする仲間たちの肩を抱き寄せる。V・ファーレン長崎の「最高の舞台」への挑戦は、決勝にたどり着けずに終わった。
 今季ここまで3試合を戦い、大量得点で快勝続きだった新本拠地が舞台。大きく膨らむサポーターの期待とは裏腹に、「引き分け=敗戦」の仙台に押し込まれる時間が続いた。前半31分、試合は悪い方に動く。ビルドアップのミスで与えたスローイン。その流れから打たれたシュートがヴァウドの腕に当たった。PKで先制され、一転、追う立場になった。
 得点が必要になったV長崎は、後半開始から松澤と山田を投入。組み立て方も変えて攻撃は活性化した。だが、ここからというところで痛恨の2点目を失う。堅く守ってカウンターに専念すればよくなった仙台に対してサイドから仕掛け、16分には松澤が絶好機を迎えたがものにできない。31分のマテウスのゴールも反撃ののろしとはならず、追加タイムに前がかりになったところを逆に狙われ、今季最多タイの4失点目で勝負は決した。
 今季は最終節まで2枠の自動昇格争いを演じた。2位に勝ち点1届かなかったが、22戦無敗やクラブ史上最多の総得点74を記録するなど4位山形に勝ち点9差をつけた。プレーオフ突破の最有力候補だったが、有利な条件を生かせなかった。
 主将としてチームをけん引してきた秋野は「勝つためにやるべきことをやった結果で負けた。自分たちの力不足だった」と唇をかんだ。目指した場所は、近そうで遠かった。