放置竹林でサブスク事業を提案 長崎大の薬学部生が最優秀 長崎学生ビジネスプランコン

2024/10/03 [12:30] 公開

長崎学生ビジネスプランコンテストでグランプリを獲得した菅博有基さん(右)=長崎市興善町、市立図書館

長崎学生ビジネスプランコンテストでグランプリを獲得した菅博有基さん(右)=長崎市興善町、市立図書館

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起業を志す長崎県内の大学生や高専生らを対象にした「長崎学生ビジネスプランコンテスト」の発表会がこのほど、長崎市内であり、長崎大薬学部の2人が提案した「放置竹林を利用した循環型ビジネス」がグランプリを獲得した。
 十八親和銀行(長崎市)とふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)が開き7回目。過去最多の66組142人が応募し、教育プログラムを4回受講。うち予選を通過した13組が21日、プレゼンテーションを行った。投資やコンサルティングの専門家らが革新性や実現可能性などを評価基準に審査した。
 賞金30万円のグランプリは「Infinite THinKers」の松尾康佑さん(20)と菅博有基さん(20)。提案によると、竹製食器を飲食店やイベント会場にサブスクリプション(定額利用)で提供・回収し、洗浄して繰り返し使う。破損、劣化すれば、竹炭や竹酢液にリサイクルして販売する。
 2人は環境・社会問題に関心が高く、起業して問題の改善・解決に貢献したいと模索する中で、土砂災害リスクを高める放置竹林に着目した。大学の授業と並行し、別の学内研究室で竹酢液を分析し活用策を探っている。
 実際に竹の伐採を体験し、飲食現場も調査。木材加工業を参考に生産コストや売り上げ目標、二酸化炭素(CO2)削減量を試算した。必要な量の薬を体内の必要な場所に届けるドラッグデリバリーシステム(DDS)製剤として竹炭を使えないかも研究するという。
 審査委員長を務めたFFGベンチャービジネスパートナーズ(福岡市)の吉田泰彦社長は「竹害は日本全国を悩ませている。投資家のお眼鏡にかなうよう頑張って」と激励した。
 菅さんは取材に「起業を目指す同世代から刺激を受けた」、松尾さんは「幅広い世代と環境問題への危機感を共有し一緒に、より良い社会をつくりたい」と事業化に意欲を見せた。