世知原少年自然の家 廃止検討 長崎県、2021年3月末 青少年の天地に機能集約

2019/12/08 [10:15] 公開

県が2021年3月末での廃止を検討している県立世知原少年自然の家=佐世保市世知原町

県が2021年3月末での廃止を検討している県立世知原少年自然の家=佐世保市世知原町

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 長崎県が県立世知原少年自然の家(佐世保市世知原町)を2021年3月末で廃止し、県立佐世保青少年の天地(佐世保市烏帽子町)に機能を集約することを検討していることが6日、分かった。県北にある同様の2施設を統合して青少年教育施設の整備・運営費を確保する狙い。開会中の定例県議会の文教厚生委で報告後、地域に説明する方針。

 県生涯学習課によると、世知原少年自然の家は1975年に設置した。約200人が宿泊できる。沢登りやハイキングを体験できるほか、茶摘みやホタルの鑑賞会など周辺の自然を生かした主催事業も企画。昨年度は目標の2万4700人を超える約2万5200人が利用した。
 佐世保青少年の天地は69年に設置。昨年度は約6万3100人が利用した。86年に建て替えており、約500人の宿泊者に対応が可能。収容能力の大きさや広域から利用しやすい立地を踏まえ、一本化を検討する。
 近年では、夏の猛暑対策として、青少年教育施設の宿泊室への空調設備の設置も急がれている。青少年の天地は来年夏の稼働に向けて設置準備を進めている。世知原少年自然の家を廃止した場合は、施設整備を充実させる考え。
 地元の佐世保市では、多くの小中学校が宿泊学習で世知原少年自然の家を利用している。市教委によると、本年度は市立の小学校・義務教育学校計46校のうち37校、中学校・義務教育学校計26校のうち10校が選択。松浦市や平戸市の学校も利用している。佐世保市教委は「二つの施設で得られる体験は違う。多様な学びのメニューがあることが好ましい」としている。
 県は来年度の県議会で関連条例の改正案の提出を目指す。生涯学習課は「青少年教育施設の必要性は変わらない。地域住民の意見や要望を聞いていきたい」とした。