長崎県立高校の適正配置などの在り方を示す第三期県高校改革基本方針(2021~30年度)の素案の概要が26日、長崎県教委などへの取材で分かった。全日制に関し、1学年2学級以下の小規模校については、入学者数の状況や将来的な見通しを総合的に判断し、長崎県教委が学校ごとに協議会を設置。期間を定めて活性化策などを講じた上で、大幅な定員割れが続いた場合は原則として統廃合を検討するとしている。
第二期(11~20年度)では小規模校を維持する方針だったが、少子化や人口減少に伴い小規模化・少人数化が進行。諮問機関の答申を受け、内部で協議した結果、生徒にとって望ましい教育環境を整備する観点から一定規模の学校が必要と判断した。
第三期の素案では適正な学校規模の基準を、現状の「1学年4~8学級」(1学級40人)から「1学年3~8学級」(同)に変更。特例として近隣高と連携する「キャンパス校」については第1学年の生徒数が20人以上、離島の小中高一貫教育の「1島1高」については同10人以上を、それぞれ望ましい人数と明記した。
長崎県教委が設置する協議会は、市町・学校・地元関係者などで構成し、活性化策などについて話し合う。協議会を設置した1学年2学級の高校の場合、協議を開始した年から起算し、3年目以降、2年続けて第1学年の生徒数が募集定員の2分の1(40人)未満となれば、原則として統廃合を検討する。キャンパス校も同様の期間、第1学年の生徒数が定員の2分の1(20人)未満の場合は統廃合を検討。1島1高は期間を定めて活性化策に取り組み、その成果を踏まえて学校の在り方について検討するとした。
少子化や人口減に伴って定員割れも相次ぎ、本年度、1学年3学級以下の割合は全体の約44%を占め、1学年1学級は6校(約11%)、2学級は9校(約16%)。第三期では学校の再編整備のほか、グローバル化・情報化の進展など社会環境の変化を踏まえ、普通科、理数科など普通系の学科の在り方などについても検討する。
素案は12月定例長崎県議会の文教厚生委員会で報告し、パブリックコメントを募集。来年の3月定例県議会に議案として提出する方針。