国や大阪府、大阪市の補助金計約1億7千万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた学校法人「森友学園」(大阪市)の前理事長、籠池泰典被告(66)と、妻諄子被告(62)が6日、長崎市内で講演した。泰典被告は逮捕から300日に及んだ勾留生活を振り返り、「安倍政権、国家による口封じだ」と非難した。
同学園を巡る疑惑では、財務官僚らが不起訴処分となった。講演会は、事件を風化させず真相を解明しようと、報道機関の退職者らでつくる「言論の自由と知る権利を守る長崎市民の会」が主催。市民ら約250人が参加した。
両被告は起訴内容の大半について無罪を主張している。「真相トーク 森友事件」と題した講演で泰典被告は「われわれの逮捕には国家が絡んでいる。まさに国策捜査、国策逮捕、国策勾留」と批判。諄子被告は約10カ月の拘置所生活を振り返り、「真っ暗な廊下を通り、部屋の分厚い扉が閉まった瞬間、自然と涙が流れた」と述べた。
大阪地裁での公判は10月30日に結審し、検察側は両被告に懲役7年を求刑。判決は来年2月19日。