コンビニ内飲食は税率10% 軽減税率 対応に戸惑い

長崎新聞 2019/11/01 [16:00] 公開

イートインスペースの利用客に申告を呼び掛けるポスターをレジに掲示する県内のコンビニ店

イートインスペースの利用客に申告を呼び掛けるポスターをレジに掲示する県内のコンビニ店

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 消費税増税から1カ月。軽減税率制度の導入でイートインスペースの利用時に顧客の申告が必要になった県内のコンビニ店でも、レジで申告せずに利用する客が多く、関係者の間で戸惑いが広がっている。
 「利用を申告するお客さんはほとんどいない」。長崎市のコンビニ店の店長はこう話す。
 軽減税率で食品の持ち帰りは8%、外食は10%と分かれ、イートインスペースの利用は外食扱いとなる。店内飲食かどうかについての店員の声掛けは必須ではなく、大手各社は店内で飲食する場合はレジ会計時に申告を求めるポスターを、イートインスペースやレジに掲示して周知している。ただ、客がレジで申告せずにイートインを利用しても、罰則規定はない。
 長崎市内にある別のコンビニ店の店長も「申告する人は半分ぐらい」と説明する。利用を伝えずにイートインを使用する客については「『レジで尋ねられなかった』などと言われ、トラブルになると困るので、指摘はしていない」と話す。別の店舗の店長も「購入後にどこで食べるかはお客さんの自由。外に出た後に店に戻って食べる人もいるし、声掛けしにくい」とため息をついた。
 店内飲食と持ち帰りの線引きの難しさや客とのトラブルの恐れなどが、現場の困惑を広げているようだ。
 別のコンビニ店のオーナーは「正直に答えた人が不利にならないようにしてほしい」と要望。申告してイートインを使っているという西彼長与町の女性会社員(37)も「個人のモラルの問題だと思うが、不公平感がないような制度にしてほしい」と求めた。