長崎県の五島市内で今月に入り、つばき油の原料となるツバキの実の収穫が本格化している。12日も、ツバキによる地域振興を目指すNPO法人カメリア五島(永冶克行理事長、16人)のメンバーらが島内の雑木林などで作業に汗を流していた。
つばき油は収穫した実を乾燥させて割り、取り出した種をさらに天日干しして搾り取る。食用や化粧品の原料などとして使われる。市農林整備課の集計では、昨年は市内で約3トンの種が収穫され、9170リットルのつばき油が生産された。
カメリア五島は2010年に設立し、土地の所有者が管理できないツバキ林の整備や、効率的な収穫方法の検討などに取り組んできた。昨年は約200キロ、一昨年は約600キロの種を収穫。今年もメンバーらが、地権者に依頼を受けた福江や三井楽地区の林など約25カ所を移動しながら、赤く熟した実をもいでいる。
同法人の収穫は20日ごろまで続く見込みで、干した種は市内の製油所に販売する。永冶理事長は「大変な労力がかかるが、島の伝統文化。まだまだ暑いので体調に気を付けて収穫したい」と汗を拭った。
つばき油へ ツバキの実収穫が本格化 五島
2019/09/13 [00:00] 公開