第三者委員会が初会合 長崎・南島原サテライトオフィス問題 市は非公開の条例を施行

長崎新聞 2025/03/27 [11:00] 公開

長崎県南島原市深江町の道の駅「ひまわり」に企業誘致のための「サテライトオフィス」を整備する事業が頓挫し、補助金9千万円が市に返還されていない問題を受け、市の補助金支出の手続きを調査・検証する第三者委員会が26日、市役所で初会合を開いた。市は同日、第三者委を原則非公開などとすることを定めた条例を施行した。
 第三者委は弁護士2人と公認会計士の計3人で構成。委員長には弁護士の大田真和氏が就いた。
 市によると、市議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)や市監査委の報告などの資料を委員会に示し、今後の議論の進め方を説明したという。第三者委の報告書の提出時期は未定。次回会合は4月末に開く。
 第三者委は委員長が許可すれば公開できるが、初会合は完全非公開となった。大田委員長は報道陣に対応せず、会場を後にした。市は非公開について「忌憚(きたん)ない意見を交わしたかった」と説明した。
 市は市民や報道機関に初会合の日程を事前に告知していなかった。同市の40代自営業男性は「第三者委を公開し、市の真摯(しんし)な姿勢を示すべきだ。隠し通したい事実がまだあるのか。全く反省していない」と憤った。
 問題を巡り、松本政博市長は3月から1年間、給与を半減。補助金支出に関わった山口周一副市長は31日付で辞職することが決まっている。