海上自衛隊佐世保地方総監部内に、旧海軍佐世保鎮守府が利用した「防空指揮所」の遺構がある。佐世保市教委文化財課は、当時の生活や訓練の様子が分かる写真を複数枚確認した。同課は「防空指揮所に関する写真は少なく、貴重な資料」としている。
同課によると、指揮所は空襲を避けるため、地下に建設。1942年12月に完成した。佐世保鎮守府が管轄する見張り所から寄せられた情報を統括し、砲撃の指揮を執っていた。秘密裏に造られたため、残された資料は少ないという。
写真を保管していたのは、かつて指揮所で働いていた佐世保市内の大町光代さん(91)。昨年自宅で見つけたが、入手した経緯は覚えていないという。情報を受信する訓練の様子や、指揮所の東口で海軍体操をしている様子などが収められている。
大町さんは現在、海上自衛隊OBらでつくるボランティアガイドグループで、指揮所を案内する「桜と錨の会」に特別会員として参加。体験を語っている。代表の樋口八洲太郎さんは「隅々まで勉強させてもらい、案内する内容の充実を図りたい」としている。
旧海軍佐世保鎮守府 「防空指揮所」の写真を確認 生活や訓練の様子など 佐世保市「貴重な資料」
2019/08/23 [10:39] 公開